
さて早いもので10月の半ばになってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか? 今回の原稿がアップされるころには今年のソムリエ試験の結果も発表になっているころだとは思いますが、満足のいく結果が得られましたでしょうか? 毎年この頃になると、「何とかというスクールでは、出るワインがわかっていたらしい」とか「口頭試問の答えを知っている人がいた」とかいろいろと噂になったりもしますが、そんな風評に惑わされずに自分自身がどれ位時間をかけたか、自分自身の達成感はどうだったか、で満足すればよいのでは、と思います。
実際に合格者発表者名簿を全部細かく見て、チェックする人はあまりいないでしょうから、もし残念な結果になっても知らん顔をして「合格しました!!」と自己申告をして、決してワインを嫌いにならずに、強く生きていってほしいものです。 (試験は来年もあります、一応お知らせとして)
このコラムも早いものでもうそろそろ2年目も終盤に差し掛かってきています。そこで今回は最近私が密かに発見し感じていること、「残ってしまったワインのブレンド」についてお伝えしてみたいと思います。 (決してワインについての内容が、ねた切れというわけではないのでご心配なく!)
というわけで今回もあまりワインがたまらなく飲みたくなるといった内容ではないかも知れないのですが、楽しく進めていきたいと思っています。
■ワインを混ぜてみる。
これは最近気になっていることなのですが、ワインを混ぜて(主にロゼワインを造る)いろいろと試してみています。以前から飲み残したワインは、どうすれば良いでしょうなどと聞かれた際に、ブレンドしてみてもおいしくなりますよ、ぐらいは軽く言っていたのですが、それを聞いた皆さんの反響(というか反応が)あまりにも大きかったので、せっかく1年かかって心を込めてつくっているワインを中途半端な考えでいろいろと変な風にとって欲しくないなと考えて、実はこの考えというかアイデアには、自分自身の判断で封印をしていたのです。
ところが最近になって、うちの店の賄いでピザを食べるときに「まあピザだしあんまり重くないロゼかなんかでさっぱりいきますか」とここまではよかったのですが、あいにくその日はうまく合いそうなロゼが冷えてなく、なんか飲みたいけど、何が良いかしらと歌いながら考えながら、赤ワイン用のデイ・セラーを開けてみたのです。するとそこには、グラス売りをして少し残ったシャトー・ヌフ・ド・パープ96と、白ワイン用の冷蔵庫にはきりきりに冷えたサンセール2000とが、少し恥ずかしそーに入っているではありませんか(訳者注、ここの意味は不明)。
そこでグラスに少しのシャトーヌフと、たっぷりのサンセールを注いで、いかにもおいしそーな、澄んだ色調の透明感のあるロゼに仕上げたのです。一口飲んでみるとなんと期待していたよりも数倍おいしい。そこで調子に乗ってもう少しシャトー・ヌフを加えてみたところ、外観の色調は、ロゼと言い張るには少し濃くなり過ぎはしたものの、実際の味わいには、複雑性と厚みが加わっておいしくグレードアップしていたのです。これっておいしくない? と聞いたところなかなかに従業員の反応も良く(といっても二人しかいないんですけど)気を良くした私は、早速次のバージョンとしてその中にゲヴュルツトラミネールをさらに少し加えてみたところ、香りの面白さが加わり、味わいとのいい意味でのギャップも感じられて、既成のワインだけでは出せない新しい面白さが生まれたように私は感じたのです。
ちようどそのときに配達に来てくれていた業者の方にも、落ち着いたギリシャのロゼワインだよといって飲んでもらったところ、やや首をひねりながらも悪くないですよねと、飲み干してくれました(確か車で来ていたはずなんだけど? 大丈夫だったの?)。
おいしく作るポイントとしては、ベースになるワインはできれば南の産地のほうが他の地域のワインともうまくつながってくれるみたいです。
逆に北の産地のワイン同士とか、樽が効いているとか、と個性が目立つワイン同士の場合は、どちらが主導権を握るかで、もめてしまうためなのか?なかなか難しいものがあるようです(それぞれにプライドもあるでしょうから、そこまでして無理にあわせたいとはこちらも思わないですし)。
少し残ってしまったもの同士(ワインですよ)が切なく結びつきあい、新たな活用を見出すという意味でも、レストランで試す! というよりは家庭で造ったほうが、自由に楽しく作れますし、それぞれが造った品種構成の異なったロゼをお互いに試して飲んでみるとか、楽しそうだと思いませんか!?
私自身は、こっそりといろいろ試してみたくて。例えばランシュ・バージュとブラン・ド・ランシュ・バージュを混ぜ合わせてみる(テーマ・いけない禁断の恋!)とか狙ってますから、マクシヴァンでこの2本を同時に薦められたら気をつけてください。
慣れてくるとつい受け狙いに名前に走ってしまってシャンパーニュとサンセールで「サンパーニュ」とかボージョレーとコンドリュウで「ボンドリュウ」とか始めたくなるかもしれませんが、そのあたりの展開はその道のプロであらせられるところのシェ・イノの伊藤ソムリエに任せておいて、なるべく皆様は(そして私も)味わい重視で進んでいただきたいと思います
。 実際には、ご家庭で赤ワインが少し残ってしまっていて、白ワインを開けたら酸っぱくて大変、でもワインは飲みたいし! みたいなシチュエーションのときに慌てず急がず、二つを注ぎいれて(もしくは3つでも大丈夫)新しい味を作り出してみてください。ワインと言うものを違った角度から感じられるように成れるかも知れません。
【今月のお知らせ】
【1】 雑誌"ブルータス"のコラムで、「ワインを無理やり女性に例えるとしてコメントしてください。なぜならば、一般の人にあまり細かいワインのコメントを書いても読んでくれないから、と言うわけでよろしく」という依頼があり、普段はあまりこういった企画にはあまりお答えしないことが多いのですが、なんといっても読者層も厚いし、まあ、これを読むことによってワインを飲んでみようかなと思ってもらえればいいかな、などと言う気軽な感じでお引き受けしたのですが、紙面の中には、"女性に例えて、なるべくわかりやすく"と言う主旨が書いていないため、一体佐藤は、何を考えて、こんなコメントをしたのかしらと、何人かの方は思われたコメントになっていた事かと思いますが、真相はこういうことなのでご理解・ご安心ください。
【2】 シェリー以外のソレラシステムについて ソムリエ試験で出された問題の中でシェリー以外でソレラシステムを採用している産地は? という問題が出たらしく、多くの方に質問されたのですが、正解は、マディラだと思います。
【3】 やっと交通安全週間も終わりましたね





