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いよいよ、イタリアも冬モードです。 11月に入るやいなや、夜、気温が下がり寒くなってきたとたん、暖房がはいりました。うちのアパートは全館一括暖房なのです。 そして18時には外は真っ暗……勘違いバジリコたちもさすがに間違いに気づいて、葉っぱの色がだんだん黄色くなってきました。 そしてフィレンツェの街の中はクリスマスに向かって一直線です。街中で華やかなネオンが輝きだしています。
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【目次】
1:今月のトスカーナの畑より
2:イーエクッスの新しいワイン「モレッリーノ・ディ・スカンサーノ」
3:マレンマ地区は自然の宝庫!!
4:フィレンツェより街のトピックス
・ガンベロ・ロッソ・トレビッキエーリ発表会
・オリーヴ収穫情報
・ラルド・ディ・コロンナータが商品名になりました
・セリエA折り返し地点報告です
・フィレンツェの建築
【1】:今月のトスカーナの畑より
■オリーヴ・オイルあれこれ
世界中のぶどう畑、ワイナリー内とも落ち着き出しているところではないでしょうか。南半球はこれから夏ですね。トスカーナ州の畑も例外ではありませんが、トスカーナ州の特産物はワインだけではありません。サテライト・カリフォルニアのレポートにもあったようにトスカーナ州でも11月に入るや否やオリーヴの収穫が始まりました。
例年キャンティ・クラシコのエリアでは11月2日からオリーヴの収穫が始まります。法律で決められているわけではありません。
今回はイタリアのオリーヴ・オイルの話をしましょう。
オリーヴ・オイルには大きく分けて3種類のタイプがあります。
1.Olio di Oliva Extravergine
オリオ・ディ・オリーヴァ・エキストラヴェルジーネ
2.Olio di Oliva
オリオ・ディ・オリーヴァ
3.Olio di sansa di Oliva
オリオ・ディ・サンサ・ディ・オリーヴァ
1番はオリーヴを絞っただけのオイルで3つの中でも酸度(オレイン酸)が一番高く(1%以上)緑色で少し濁った感じがあり個性が強くなっています。
2番は1番からさらに精製したもので1番より酸度(オレイン酸)が低くなっています。(1.5%以下)又色も透明感が強くなります。
3番は1番を抽出したオリーヴのかすに水を加えさらに搾り取ったものです。
オリーヴ・オイルはオリーヴの実から造られます。当然ですよね。
オリーヴ・オイルの品質の決め手の50%は使用するオリーヴの種類、50%が収穫のタイミングと言われます。さらに健康な木であることは言うまでもないことです。
ちなみに一般的に10月中旬以降にとれたオリーヴを使ったオイルは草の汁っぽい苦味の強いものになり、11月から12月中旬にとれたものを使うと香りが高く、12月中旬以降に獲れたものを使うとオリーヴの癖が少なくなり、甘味の印象が強くなるオイルというよりもサラダ油に近い味わいのものになリます。
(※10月中はまだ実が成熟しきっていなく、12月中旬以降は種に栄養が行ってしまう為にオイルに癖が出ないからです)
■オリーヴ・オイルの製造方法について少し説明を……
オリーヴ・オイルの生産過程は基本的には
【1】収穫
↓
【2】洗浄
↓
【3】すり潰し
↓
【4】練りこみ
↓
【5】圧搾(抽出)
↓
【6】水分とオイルの分離
↓
【7】フィルター
です。
簡単に言ってしまうと、収穫して、潰して、絞るだけ。だからオリーヴの実しだいでオイルのクオリティーが決まってしまうのです。
【1】収穫
収穫の方法は大きく分けて3種類。


1.むしりとります。
手や熊手の小さいもので髪の毛をとかすように取っていきます。労力と時間がかかります。
2.叩き落します。
棒や竿で枝をたたいて落とします。よく成熟しているものが落ちやすくなっています。
3.地面に落ちているものを拾います。
正確に言うと機械などで木自体を揺らして実を落としてそれを拾います。
キャンティ地方では山岳地帯ということもあり1番の方法が多く、木にはしごをかけて丁寧にむしりとっているところがほとんどです。
収穫されたオリーヴは普通のダンボールの大きさ位のかごに入れられFrantoio(フラントイオ)と呼ばれるオリーヴ・オイル精製専門業者のところに運ばれます。
このフラントイオはキャンティのエリアだけでも200近くあるといわれます。材料となるオリーヴの実も重要ながらこのフラントイオ選びもオイルの質を大きく左右します。オリーヴ・オイルを生産する設備は栽培者がみんな持てるものではありません。そのため収穫が終わっても順番待ちをするオリーヴたちもあり、このときの保管状態もオイルになった時にとても大きな影響を与えます。
【2】洗浄
フラントイオに運ばれたオリーヴはまず余計な枝や葉を取られ冷水できれいに洗われます。
【3】すり潰し
オリーヴたちは種入りのまま機械にかけられ、すりつぶされます。
イタリアの伝統的なオリーヴをすりつぶす機械は巨大なお皿の上で二つの丸いタイヤ状の石がすりつぶしていきます。逆に最新式のものはできるだけ空気との接触を避けるために洗われた後そのまま、すりつぶし機の中に入りステンレス製の二枚の円盤によって余計な空気に触れず摩擦熱も与えられずにペースト状にされます。

ぶどう同様オリーヴも酸化は大敵なんです。
【4】次に練りこみです。
ペースト状になったオリーヴはその後オイルを抽出しやすくするために30分ほど練りこみます。伝統的な方法にはこの練りこみという作業はありませんでした。
現在の主流は大きなスクリュー。さらに最新式のものになるとこの作業も一貫して密閉式のステンレスタンクで行われさらにオイルが効率良く抽出される温度にされます。
この温度管理により、オイルによけいな雑味を与えるのを防ぐ働きもあります。
【5】オイルを絞ります(圧搾)。
練りこまれた後オリーヴはオイルの抽出へと回されます。抽出作業は基本的にはオリーヴの汁を絞ればすむことです。
伝統的なやり方は石臼でペーストにしている間に流れ出る液体を得ていました。
技術の進歩に伴って一般的になってきている方法は、まずナイロン性の直系1.5メートルほどの円盤(Fiscolo:フィスコロ)にこのペーストを乗せ、その円盤を20枚から30枚ほど重ねて上から3000トンから4000トンの重さをかけて液体を抽出するやり方。
そ現在では遠心分離機を使用するのが最も一般的になっています。
巨大な鉛筆のような機械の中に横から常にペーストにされたオリーヴが中に送り込まれ、機械の中心に送り込まれて機械の外側に沿って排出されるようになっています。
その外側を通るときに遠心分離の原理により液体が抽出されます。さらにこの4ミリほど外側にもう一つ筒が回っていてオイルと水の比重の違いを利用して外側の筒でオイルだけが分離され、この抽出作業は30分ほど続けられ材料のオリーヴはオイル、水、粕の三つに分けられます。
【6】水分とオイルの分離です。
分けられたオイルはもう一つの遠心分離機にかけられ、さらに水分が取り除かれます。
一方オイルから分けられた水分ももう一度遠心分離機にかけられ、ここでもオイルを分けます(ここの遠心分離機は最初の鉛筆型のものとは違います)。
ここで分けられたオイルは先に得られたオイルとは合わせず、再び最初の鉛筆型の遠心分離機に戻され再び遠心分離されます。
【7】フィルター
フラントイオによっては、オイルを遠心分離機にかけてさらにフィルターを通すところもあります。
オイルを落ち着かせ、瓶詰めします。
ここででき上がったオイルはすぐに口にすることはできますが、オイルという割にはすごくさらさらとして水っぽくて色も真緑で苦味が強くなっています。
そして、20日から30日ほどステンレスタンクで休ませ、不純物を取り除いた後に瓶詰めされて、販売されます。
■特殊な抽出法もあります。
さて、オリーヴの抽出法にはごくまれですがちょっと変わった方法もあります。
ペーストにされたオリーヴの中にステンレスのナイフのようなものを刺し、オイルの粘着性を利用してそのしずくを集めてオイルを得るというPercolamento Sinolea(ペルコラメント・スィノレア)法です。
この方法だと前に説明した方法によって得られるものの60%しか抽出できないそうですが品質はかなり高くなります。
ただ残念ながらこのようにとられたオイルも普通の質のものに合わせられてしまうことが多いのが現実です。
■オリーヴの種類です。
イタリアは南北に長い国で、最北のピエモンテ州とヴァッレ・ダオスタ州を除いた全ての州でオリーヴ・オイルが造られています。
特に有名な州はトスカーナ州とウンブリア州。
オリーヴ・オイルもぶどう同様土地の気候、標高などの条件で全て味わいが違います(気候条件に合った品種が使われると言うことでもあります)。
先にも述べましたがオイルの味わいの特徴は使用されるオリーヴの種類で大きく変わります。
オイルに使われるオリーヴは食用のものよりやや小ぶりの果実で油成分が多くなっています。トスカーナ州でオイル用に使われる主な品種は

・Frantoiao(フラントイアーノ)
・Leccina(レッチーノ)
・Moraiolo(モライオーロ)
・Pendolino(ペンドリーノ)
などです。
トスカーナ州のオリーヴ・オイルは香りが高く、草木の香りやアーティチョークのような野菜の香りが強く、味わいにも青々とした野菜やアーモンドのようなナッツの味わいとピリッとした辛味が特徴です。このトスカーナオイルの緑色や野菜の香りは主にフラントイアーノから得られます。
オリーヴ・オイルにもテイスティングがあり、専用のテイスティング・グラス(本当は青なのですがフィレンツェで見つけたのは無色透明のものでした)もあります。
基本的にはワインのテイスティングと同様に
1.色合いなどの視覚から
2.香り
3.味わい
です。
ポイントになるのはオイルの状態(色、香り、味わい)がどうか、酸素のダメージをどれくらい受けているか、で、レポートにはしっかりとオイルの良いところ悪いところの両方を書きます。
主な肯定的な表現の言葉は
「新鮮な草木」
「辛口」
「熟したトマト」
「アーモンド」
「リンゴ」
「乾燥フルーツ」
「苦味」
などです。
逆に否定的な言葉は
「酸化した」
「かび臭い」
「火が入ってしまっている」
「酢が入ってしまっている」
「油成分が強すぎる」
「草木をすり潰したような」
「過熟したメロンやかぼちゃの香り」
「苦い」
などです。
さて、難しい話が続きました。
イタリア人はどんな風にオリーヴ・オイルを使い分けるのでしょう?
スーパーにオリーヴ・オイルは30から40種類は並んでいるのではないでしょうか。数えたことがありませんけど。ほとんどがエキストラ・ヴェルジーネです。大体の人がお料理用には廉価のエキストラ・ヴェルジーネを使います。
また、11月中旬より獲れたてのまだ緑に濁ったオリーヴ・オイルの5リットル瓶などが並び始めます。このようにとれたてのオイルはサラダや料理の仕上げにだけ使います。オリーヴ栽培者の友人のいる人はこの友人から買ってそれを使うようです。
このようにオイルを使い分けるんですね。
だからオリーヴ・オイルをたくさん使わない日本だったら500mlの新鮮なオリーヴ・オイルを1年通して使うような感じで料理の仕上げにちょっと使うなんていう方法がちょうどいいのかもしれません。
トスカーナ州のオリーヴ・オイルとどんな料理の相性が良いかというと、肉のグリル、パンにトマトと乗せたブルスケッタ、豆をふんだんに使ったミネストローネに一振り、ローストビーフに添えるグリーン・ソースなどに使うとより味が引き立ちます。
オリーヴ・オイルは極端な寒さと雑菌を運んでくる虫たちにとても弱いのです(収穫前の木になっている状態の時から)。ですから新鮮だからといって冷蔵庫になんか入れてはいけません。保管の最適な温度は14度から20度くらいの光の入らないところで、蓋をして虫が入らないように保存しましょう。
こうして保管すれば収穫されてから2年間くらいは美味しくつかえますよ!
【2】:イーエクッスの新しいワイン「モレッリーノ・ディ・スカンサーノ」
春に永野代表と訪問したワイナリー、ポッジョアルジェンティエラ。今回はイーエックス・ワインに新しく仲間入りしたこのワイナリーの「秋」のレポートです。
■ポッジョアルジェンティエラ・モレッリーノ・ディ・スカンサーノ
この Poggioargentiera(ポッジョアルジェンティエラ) はフィレンツェの街から約150キロほど南に下ったところにあります。
オーナーはジャンパオロ・パーリャさん。まだ1997年にワインの生産を始めたばかりのできたてほやほやのワイナリーです。ワイナリーで通常働いているのはジャンパオロさんとその奥様、そして貯蔵責任者(といっても収穫から醗酵、熟成まで何でもやります)のトニーノさんのたったの3人です。トニーノさんはこの春よりこのエリアの某有名ワイナリーから移ってきたばかり力強い助っ人です。
訪問したときはちょうど2001年の収穫時期の真っ只中でした。
この日は秋の長雨のちょうど中日、ぶどうの成熟具合もすっかり準備万端になっていたのに、残念ながら早朝の雨のために収穫は中止。
大胆にも「収穫手伝っちゃおう!!」とのもくろみは残念ながら実現せず、粘土質の強い畑の中をただむなしくスニーカーを泥にまみれさせながらの散歩しかできませんでした。
■土壌の話が出たので少し土の種類の話を……
ここは先にも書きましたが、上質のワインを造るための一つの条件でもある粘土質が大きな割合を占めています。他に砂、砂利が場所によって畑表面上に見られるところもあります。聞いてみると
「畑全部の土の成分を一言で説明するのは難しいよ。粘土が中心ということは言えるけど……それだけたったの15haの畑でも場所によって違うって言うことだよ」
ということでした。
一歩ごとに足が重くなっていき、粘土質を大実感……。
春に来た時も感じましたが、雑草があまり生えていない。これも彼の除草剤は使いたくないというこだわりで、気がついたときに手で抜いて歩いているそうです。そんな話をしながら二人で畑の奥に進んで行く間にも両手には抜いた雑草が一杯になっていました。
なんと雑草の中には葉がついているぶどうの木も混じっていました。去年の冬に剪定した枝が地面に刺さって根を生やしたものでした。
でも「これも雑草だ」と抜いちゃいましたけど、それにしてもぶどうの生命力はすごい。歩きながら遠くを眺めると、向こうの山の尾根で人が動くのが見えます。
「あ、向こうは収穫やってるんですね!」と何の気なしに聞いてみると
「今は晴れて天気も良いけれど、ぶどうの房にはまだたくさんの雨のしずくがついているんだよ。ちょっとづつの雫でも大量のぶどうが集まれば、ぶどうのモスト(ジュース)は薄まってしまうからね。そう言えば、あそこのワイナリーは昨日雨が小雨だった時にも収穫してたなぁ。よそはよそ、うちはうち」
ここでもまた、こだわり発言が!!
母屋の方に戻る途中、春に話をしていた新しい醸造所の中を見せてもらいました。
周りのレンガの壁はすでにでき上がっていて、この日やっと屋根が乗りちゃんとした建物になったばかりだそうです。
余談ですが、この新しい醸造所については半年も前から建造を頼んでいるのに、材料が揃わないだのなんだかんだと理由をつけて着工したのがつい数週間前だそうです。そんなイタリア人の気質にジャンパオロさんは「全くイタリアはいつもこうだ! やればできるのになかなかやろうとしない」とイタリア人である彼が言っているのを聞いて「やっぱりイタリア人の中にも自分と同じように感じる人はいるのだなぁ」と何だか安心してしまいました。
建物の中の畑側には中二階があり、ここが簡単なオフィスとテイスティングルームになるそうです。この部屋には丸窓があって畑と向こうの丘がよく見渡せます。
醸造所内は今までのものの約4倍はあるでしょうか! まだ中には何もないため余計に広く見えます。今までがいかに小さかったかご想像ください!!
そんなことを話しながら、収穫したてのぶどうの醸造が進んでいる今までの醸造所に醗酵の様子を見に行きます。
新しく貯蔵庫責任者になったトニーノさんと挨拶をした後、二人の仕事振りをとくと拝見。トニーノさんはステンレスタンクの上に乗っかり中をかき回しています。ジャンパオロさんは近くにあったグランド慣らしのような道具で蓋の開いた小樽の中のぶどうをかき回し始めました。
「あれ、醗酵は全部タンクって言ってなかったけなぁ?」
と不思議そうに眺めているとジャンパオロさんがこれはカベルネ・フラン種の醗酵と教えてくれましたがまたまた疑問。
「カベルネ・フラン種なんて彼らのワインに使われていたっけなぁ?」
やっぱり不思議そうに眺めているとジャンパオロさんがまたまた説明してくれました。この小樽はちょっとした試みでこれからのカパトスタ用と言うこと。
(彼らの生産するワインはたったの2種類、それも両方ともモレッリーノ・ディ・スカンサーノです。一つがベッラマルスィリアもう一方がカパトスタです。詳しい違いは下のテクニカルデータをご覧下さい)
それと、やっぱり醸造所も広がるし優秀な貯蔵庫責任者も来てくれたし、もう一種類くらいは今の規模でも造れるから、第3番目のワインの研究もかねているとのことでした。ますます次のヴィンテージのリリースが待ち遠しくなりました。
ステンレスタンクの中のワインはまだまだアルコール度の低い濁ったぶどうジュースカクテルと言ったところでしょうか。でも飲んでみるとちゃんと体が温かくなってきます。
「うん、おいしい! これなら今年のワインのできも良さそうだ」
と、まだまだ修行中の身ながら一人前のことを考えてしまいました。
今年の状況を聞いてみると今年の収穫は9月12日に始まりました。訪問したときはちょうど半分くらい終わったと言うことでした。
今年の収穫も例年どおりのスピード、雨が降っては乾くのを待ってという具合に3週間程度で終わらせる予定だそうです。問題の収穫量とぶどうのできはかなり良質のものがとれていて、収穫量のほうは春の霜の被害で例年よりも10%くらい少なめとのことです。
ワインにもなっていないジュースだけで早くも2001年のワインが待ち遠しくなってしまいました。
それでは最後に彼らのテクニカル・データを紹介しておきましょう。
ワイナリー名 : ポッジョアルジェンティエラ
設立 : 1997年より
生産開始所有者 : Gianpaolo Paglia(ジャンパオロ・パーリア)
醸造責任者 : Gianpaolo Paglia(ジャンパオロ・パーリア)
所有畑面積 : 15ha
(うち2001年までの10haが樹齢10〜25年、現在ワインに用いられている。来年以降残りの5ha、98年植林分のぶどうを生産にまわす予定)
海抜0メートル
栽培方法 : コルドーネ・スペロナート
醸造:醗酵は28度に管理されたステンレスタンクにて行われる。
ワインデータ
【1】Bellamarsilia(DOCモレッリーノ・ディ・スカンサーノ)
ポッジョアルジェンティエラ・ モレッリーノ・ディ・スカンサーノ・ベラマルシリア
使用ぶどう品種:サンジョベーゼ100%
アルコール度数:13%ステンレスタンクで10日から12日間の醸し。その後アメリカン・バリックに移され3ヶ月間のマロラティック醗酵、熟成
【2】Capatosta(DOCモレッリーノ・ディ・スカンサーノ)
ポッジョアルジェンティエラ・モレッリーノ・ディ・スカンサーノ・カパトスタ
使用ぶどう品種:95%サンジョベーゼ
5%アリカンテ
アリカンテ種はこの土地の土着品種で、ワインにやわらかさ、濃さ、チョコ、タバコ、土っぽさなどを与える
アルコール度数:14% 醗酵後18日から20日間のかもしの後フランス産バリックにて1年間の熟成。バリックに関しては50%新樽、50%を2、3年のものをあわせて使う。
【3】:マレンマ地区は自然の宝庫!!
今回も訪問したワイナリーの近くの街を紹介しましょう。
スカンサーノの街あるこの地域をMaremma(マレンマ地区)と呼びます。
マレンマ地区は海に近く山もあり豊かな食料に恵まれ気候も温暖なため、その昔エトゥルリア時代に繁栄したエリアで今でも多くの遺跡が残っており、博物館もあります。
現代でもその気候は変わらず、モダンなヴァカンスを過ごせるPunt Ala(プンターラ)やとても美しい旧市街地を持つCastiglion della Pescaia(カスティリョン・デッラ・ペスカイア)のある海岸線は砂浜や岩場とバラエティに富み、トスカーナ州の有名リゾート地となっています。
トスカーナ州といえばキャンティのエリアが今までドライブやワイナリー訪問、味覚の旅などの観光スポットでした。しかし、ここ近年キャンティのエリアがすでに世界的に有名になり観光客に溢れかえるようになるとへそ曲がりなイタリア人たちは、新しいヴァカンスの場所を探すようになりました。
そこで今注目されているのがマレンマ地区なのです。
ここにはアグリトゥーリズモと呼ばれる、基本的に都会の生活を離れて農家の暮らしを体験させてもらえる農家がたくさんあります。中には馬に乗ってこの周辺を案内してくれたり、自分たちで馬で出かけられる所もあります。さらに豊富な猪や鹿などの野生肉をつかった料理にも舌鼓を打つことができます。
アクセスはスカンサーノに行くにしてもいずれにせよこの地域の中心地であるグロセットを目指します。この地域はフィレンツェからは少し離れているので、できればレンタカーを駆って泊まりがけでゆっくりとトスカーナの自然を満喫したいものです。とりあえず、グロセットを目指しましょう。
グロセットの目指し方は2種類、いつも利用するSITA(シータ)でシエナを目指し乗り換えてグロセットを目指すか、フィレンツェ・サンタ・マリア中央駅より電車で行くかです。電車だとEmpoli(エンポリ)、Siena(シエナ)経由で行くか、それてもPisa(ピサ)経由で行くかのどちらかです。先のエンポリ経由だと2時間くらいですが日に2、3本しかありません。一方ピサ経由は時間は3時間ほどかかりますが本数は結構あります。
先に書きましたがグロセットはこのマレンマ地区の中心の街です。
街は六角形の中世に作られた城壁に囲まれた街です。街を北から南にまっすぐ進んでいるCorso Carducci(コルソ・カルドゥッチ)を進みます。
この通りには商店街が並び、かわいらしいバールの間にはS.Pietro(サン・ピエトロ)教会があり、
この教会の角を左に曲がり広場の奥にはS.Francesco(サン・フランチェスコ)修道院が。十字架像は必見です。同じ広場内にある考古学博物館ではこの地域で発掘された遺物やその歴史を知ることができます。
コルソ・カルドゥッチどおりに戻りそのまま南に進むとカラフルな壁の家に囲まれたPiazza Dante(ピアッツァ・ダンテ)にでます。
この街の一番の見所であるロマネスク様式とゴシック様式の混ざったドゥオモがどっしりと構えています。
このドゥオモにはマッテオ・ディ・ジョヴァンニの聖母マリア像を初めとするルネッサンス期の作品を見ることができます。内部は整然としていて教会特有の重々しさはそれほど感じられず、居心地のいい空間となっています(教会に対して居心地がいいなんてちょっと変ですね)。
この広場の周りはカラフルな壁の建物に囲まれその下のアーケードには色々なお店が並んでいます。この広場に面したRisstorante Cnapone(リストランテ・カナポーネ)はこのマレンマ地区の料理を堪能できる素敵なレストランで、隣にある姉妹店のワインバーではグラスでこの地方のワインを飲むことができます。
グロセットの街を出て北に6キロほど行くとエトゥルリア時代からローマ帝国時代に造られたもう一つの城壁の街Roselle(ロゼッレ)に行くことができます。この街ではローマ帝国時代のたくさんの彫像があり、その他にモザイクでできたドムスや円形劇場なども必見ポイントです。
ここからもう少し南東に進んでワインの街の名前にもなっているスカンサーノの街に足を伸ばして見ましょう。
スカンサーノの街の由来はAncia(アンシア)家のSant'Ancia(サンタンシア)から来ているとか、昔この地域で造られていたScantiana(スカンティアーナ)と言うぶどう品種から来ているとか、地名学辞典によるとエトゥルリア時代のScansna(スカンスナ)と言う古代の人名から来ているなどの説もあります。
ここはエトゥルリア時代海岸から先に述べたロゼッレに塩を運ぶ内陸路の一つでもあったため、この道沿いにはその時の足跡が見ることができます。
この街はこの地域の中でもかなり標高の高いところにある街(標高約500メートル)で、街に行くにはひたすら畑の中と山道を登っていきます。
街の中心はPiazza Garibaldi(ピアッツァ・ガリバルディ)で、駐車場から坂を登りその広場を正面に見て右側にTorre di Orologio(トッレ・ディ・オロロージョ:時計塔)がありそこからワイン通りがはじまります。
ここには小さなエノテカやバール(カフェ)などがあり、建物の間から見える景色は絶景です。ここをさらに一番奥まで進み左に曲がると考古学博物館があり、ワイン博物館にもなっていて、この地域の土壌やこの地域から発掘されたアンフォラ(昔ワインの貯蔵のために使われていた先のとがった陶器の入れ物)などを見ることができます。
スカンサーノはとても小さな街でレストランも3軒ほどしかありませんが前に書いたような料理をゆっくり楽しむのでしたらLa Cantina(ラ・カンティーナ)はおしゃれな洞窟といった感じでお勧めです。
ちなみにスカンサーノ周辺の料理は中にほうれん草などが入ったトルテッリや猪のミートスースにからめたパッパルデッレ(幅の広いパスタ)や野ウサギなどの獣肉の煮込みで、一度は試してみる価値アリ! です。
当然これらの肉で作られるサラミ類も勧めです。これらの料理にはやはりモレッリーノ・ディ・スカンサーノを楽しみましょう。若干大皿なので頼む時には少し控えめに!
このレストランの隣にはこのレストランのエノテカ(酒屋)がありほとんどのモレッリーノ・ディ・スカンサーノはここで買うことができます。
次の夏休みには思い切ってこのマレンマ地区で海あり山ありの、のんびりした休みを計画して見てはいかがですか!?
Ristorante Canapone:
Piaza Dante,3/6
Tel+39-0564-24546 Fax+39-0564-28535
La Cantina:
Via dellaBotte,1-1/A
Tel:+39-0564-507605
※このコラム内のいくつかの写真はAscom Confcommercio della Maremma(マレンマ地区の観光情報サイト)の協力と許可を得て使用しています。画像の無断転用は固くお断りいたします。
【4】.フィレンツェより街のトピックス
■ガンベロ・ロッソ・トレビッキエーリ発表会
11月25日、ローマのヒルトン・ホテルでガンベロロッソと言う雑誌が毎年発表する優秀ワイン(トレ・ビッキエーリと言います)の発表会がありました。このガンベロロッソ、イタリアだけでなく世界のイタリアワイン業界に多少なりとも影響力のある雑誌のひとつです。
この評価に対して優秀ワインは金を積めば獲ることができるなどと言われることもありますが、実際にお金を払って買った消費者がある程度満足しなければ雑誌に対する信頼もなくなってしまいます。
ですから、たとえ政治的な動きがあるにせよ、評価を得ると言うことはワインのレベル的にも上質であると言えるのではないのでしょうか!?
もちろん受賞してなくても隠れた上質ワインはたくさんあります。ただ、ワインの値段などに多大な影響もあるのが事実です。
と、難しい理由をつけて当日ローマに行ってきました。え? もちろんトレ・ビッキエーリ受賞ワインをテイスティングするためにですよ!
今年は1770生産者、12610種類のイタリア・ワインの中から241種類の最優秀トレ・ビッキエーリ・ワインが選ばれました。
会場に向かう前に気になっていたワインはバジリカータのパテルノステル社のロトンド、モリーゼ州のディ・マイヨ・ノランテ社のモリーゼ・ドン・ルイージというワインです。バジリカータ州とモリーゼ州で初めてトレ・ビッキエーリを受賞したワインです。
それに普段なかなか高価で口にできないサッシカイア、ガイヤ、ソライアなんかも一緒にテイスティングできる機会です。会場は人・人・人! で、あっという間に埋め尽くされ、1ワイン6本しか用意されていないために有名どころはどこもすごい人だかりです。
開場後1時間ほどすると開場も落ち着きだしてきました。
と言うよりも、高級ワインが全て終了し、さらに場内には吐き出し器がないためみんなもうほろ酔い気分です。サービスしているソムリエの方たちも気のせいかみんな顔が赤かったような……。
当然、241種類たとえ50ccずつでも吐かずにテイスティングできるはずもなく、終了時間の頃には気がつけば自分も千鳥足でホテルを後にしていました。やっぱりイタリアのテイスティングは気合と肝臓と体力が勝負だと言うことを再確認しつつすっかり楽しんでしまいました!
■オリーヴ収穫情報
ワインよりもひょっとしたらよりデリケートなオリーヴ・オイルの今年のでき高情報です。今年は全国的に10%から15%程度少なめとなっていて、質の方は全ての地方でEccelente(エクセレント!)との評価です。
酸度(オレイン酸)がやや低めで、味わいのしっかりしたオイルができているようです。
さて価格ですが、生産国イタリアにおいてもオリーヴ・オイルの価格が上昇しています。スーパーで買う日常用のオイルに関しては全体的に約5000リラ(約300円)、その他の高級オイルも含めると全体で25%から30%の価格上昇になっているようです。
17000リラから19000リラ(1000円から1400円)が日常用のオイル、一方原産地呼称保護オイル(DOP)は30000リラから45000リラ(1800から2700円)が平均価格になるとのことです。
さてトスカーナ内でも特にフィレンツェ南のインプルネータという街はオリーヴ・オイルが有名な街です。この街の生産者のほとんどが家庭菜園のような小さな区画でオリーヴを栽培しています。
小さいだけに製品になる時に価格が上がります。
その上、原産地保証制度がクオリティをあげているのも事実ですが、価格をあげているのも確かなようです。
■ラルド・ディ・コロンナータが商品名になりました!
日本人にはちょっと抵抗のあるラード、おそらくほとんどの方がすき焼きなどのだし用など、お料理の中に溶かして使っているのではないのでしょうか?
イタリアではもちろん料理にも使いますが前菜としてスライスしたり、パンにはさんだりして火を通さずに食べるんです。実は自分もこのラードをはさんだパニーノ(イタリア風サンドイッチ)が大好きなんですけど!!
特にコロンナータという街で造られるラードは絶品です。このラルド・ディ・コロンナータが今後EU、ヨーロッパが一つになってもこの名前が付けられるようになりました。
要するに世界中でラルド・ディ・コロンナータの名前のつけることのできるラードはこのコロンナータの街で造られたものに限られることになったのです。
この街はトスカーナ州のティレニア海側の大理石ではコロンナータより有名なカッラーラという街のすぐ北にあり、この街にはラードを造っているのは14社しかありません。
(世界中でラルド・ディ・コロンナータを造っているのは14社だけです)
このコロンナータという街があるのは世界的に大理石の有名な所でもあります。彼らのラードは6ヶ月間Conca(コンカ)と呼ばれる大理石の風呂桶のようなものに塩、多種多様のハーブに漬け込まれます。
この漬け込み期間中にラードの余計な脂肪分は流れ出し、大理石からミネラル分をラードが吸収するそうです。
来年のブリュッセルでEUの原産地保証食品として正式に売り出されます。ちょっとだけ美味しいラードを使ったパニーノの秘密を教えちゃいましょう。半分に切ったパンの間にこのラードのスライスと細かく切ったトマトとローズマリーを散らすともうそれは……ぜひお試しください。
■セリエA折り返し地点報告です
イタリアいえばサッカー、冬のシーズンが始まりました!
中田選手を初めとして今年は川口選手、小野選手、稲本選手など多くの選手が活躍するようになり、ヨーロッパ・サッカーの放送も目が離せなくなってきました。今回は簡単に現在のセリエAの状況を号報告しておきましょう。先週末で第11節が終わっています。去年のこのときの戦績は
1位 ローマ
2位 アトランタ
3位 ユベントス
4位 ミラン
5位 ラツィオ
と強豪が揃っていましたが一方、今年は
1位 キエーヴォ
2位 インテル
3位 ローマ
4位 ミラン
5位 ラツィオ
と、何と去年までセリエBに所属していたヴェローナのキエーヴォが一位になっています。その他ブレーシャのロベルト・バッジョ選手の活躍などが注目されています。
これから後半戦です。今年はどこが勝ち抜くのでしょう!?
■フィレンツェの建築
フィレンツェと聞いてまずイメージするものは何でしょうか?
赤茶色の花の大聖堂のクーポラ(円蓋)であったり、古い街並みであったり、教会や美術館の絵だったり、もちろん濃厚なヴィーノ・ロッソを思い浮かべる方もいるでしょう。
いずれにしても背景にはルネッサンスの香りが漂っています。
京都と姉妹都市であるといえば(この記念の京都通りというのもあるんです)想像しやすいかもしれませんが、とても厳しい建築・その他の規制があります。
作家の塩野七生さんがチェントロ(中心街)近くにバルコニー付きの家を借りたとき、嬉しくてさっそくパラソルをたてて日光浴を楽しんでいたら、居眠りをする間もない内に警察がやってきて撤去させられた、というエピソードも伝わっているくらいです(誇張されてはいるでしょうが)。
そのくらいだからタイムスリップ感覚に酔って楽しめるわけですが、逆に近代・現代の建築や作品は敬遠されがちです。
そういった厳しい状況の中でもなかなか素敵な建築があるんですよ。
たとえば中央市場、ミラノのアーケードと同じ建築家によるこの作品は改修によって新築当時のすばらしさがちょっぴり失われたと聞きますが、それでもガラスと鉄骨による、なかなか凝った装飾も見られる時代を反映したおもしろいものです。
中央郵便局も70年代当時のモダニズムがよく現れているし、ベッカリア広場を越えると住宅にもアール・ヌーボーやもっとモダンなものが見られることがあるのは中心から離れるほど規制が緩いことが関係するのでしょう。
嬉しいことにイタリアで日本人建築家も活躍しています。
東京の聖カテドラル教会や都庁などの丹下健三氏はミラノやジェノヴァで大規模なプロジェクトも成功させているし、大阪の光の教会やサントリーホールなどの安藤忠夫氏、ごく最近まで開催されていた伊東豊雄氏の展覧会も大盛況でした。
そしてここフィレンツェでは、磯崎新氏がウフィツィ美術館の出口部分の建築コンクールで優勝し、その詳細の決定も詰めの段階に入っているようです。
コンクリートや鉄骨の素材と幾何学的なフォルムを得意とする氏が、ルネッサンスの「箱」であるウフィツィから出てきた人々にどんな夢の続きを見せるのか、とっても楽しみだと思いませんか?
さて、12月19日より来年2月17日まで、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅では「20世紀建築の旅inトスカーナ」と題して展覧会が催されます。
リバティ様式からネオ・クラシックにいたるまで、2つの戦争がもたらした変化などとても興味深いテーマで取り上げるようです。
フィレンツェのちょっと違う一面も見られるかもしれませんね。
【あとがき】
今回で早くも2001年の12月号です。今年は引越しをしたりこのレポートを書き始めたりと色々なことが目白押しでした。気がつけばもう今年も終わってしまいます。
フィレンツェでは年末年始にかけて忘年会と称したホームパーティーが目白押し。風邪なんかひかないで体に気をつけて、この季節頑張って乗り越えていきましょう!!
次号、2002年の新年号でお会いしましょう。
Allora Buon Natale!
アッローラ・ブオン・ナテーレ!
「メリー・クリスマス!」






