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フロム・ザ・ヴィンヤード

第17回 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの超レア、ビオンディ・サンティ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの超レア、ビオンディ・サンティ

 

■18年前に初めてビオンディ・サンティに出会いました

今から18年前、つまり1984年に私ははじめてビオンディ・サンティの存在を知りました。

当時ちょうど私がイタリアワインに興味を持ち始めたときのこと。モンテ物産が主催するイタリア塾というワイン塾に通っていました。講師が田崎真也氏という贅沢な授業で、そのときクラスにいた生徒も今となると豪華メンバー、ワインもレアなワインがいっぱい使われていました。ビオンディ・サンティも授業のときにブラインドででてきたワインアイテムのひとつだったのです。

第一印象は「かたいワイン」の一言。時間が経っても香り、味ともに開かず。一緒に受講していた麹谷宏さん(CGデザイナー)がおっしゃるには「これはイタリアのロマネ・コンティだよ」とのこと。

麹谷さんはビオンディ・サンティが大好きだそうで、コレクションをしていましたが、正直言ってそのときの私には良さが全くわかりませんでした。

それがあるとき、モンテ物産の方にラベル不良の古いヴィンテージ(たしか1970年代のものでした)のビオンディ・サンティをわけていただいて飲んでみたところ、ガラリと違うワインになっていることに驚嘆しました。

熟成を経て頭角をあらわしたビオンディ・サンティの素晴らしさは言葉に出来ないほどのもの。まだまだもっとよくなっていくに違いないと確信しました。そのときから私はビオンディ・サンティのとりことなりました。

 

■ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの歴史とともに。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの歴史現在のぶどう園主であるフランコ・ビオンティ・サンティ氏は6世代目に当たります。

19世紀の終わり頃のこと。フランコ氏の先祖、2代目のフェルッチョ氏がキャンティをつくるサンジョベーゼ種の、この地域独自の変種であるブルネッロ種を見つけ出しました。


ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ彼はサンジョベーゼ・グロッソとも呼ばれるこの種に新しいぶどうの木を接木し、今日ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとして世界的に知られるワインを造ることに成功しました。


 

■フランコ・ビオンディ・サンティ氏のナビゲートで

フランコ氏によると、ワインは飲む前、最低8時間前には開けて空気に触れさせておくこと、そして18度くらいで飲むのがベストコンディションとのこと。

フランコ・ビオンディ・サンティ氏ワインは力強くパワフルでしたが、以前飲んだガチガチというイメージは全くなく、バランスもよくタンニンもシルクのような滑らかさがありました。


セラーには古いヴィンテージワインがゴロゴロしていました。現在でもイタリア大統領や大使の晩餐会などに使われているとのこと。いまやイタリアではもっとも高価なワインの代表となっています。

ビオンディ・サンティセラーの中のオールドヴィンテージのボトルたちにも驚きましたが、生産量がたった7万リットルの超レアビオンディ・サンティがこんなにあるとさすがに圧巻。1888年から1969年までのグレイトヴィンテージが保存され、品質の基準となっているとのことでした。


 

■セラーの裏庭にぶどう畑が広がっていました。

セラーの裏庭にぶどう畑ぶどう畑の土壌は粘土質。「通常は赤色がかった黄灰色をしている」とフランコ氏は話してくれました。訪問した日は大雨が降っていたので写真のような感じでした。

「一見水はけが良くないように見えますが……」と言うと、実際は十分に水はけがよく、雨自体がそう多くないとのお答えでした。


また日当たりがよくて日光が強く、いくぶん涼しいので、特に石灰岩や泥岩のあるこの地帯ではより香りの高いブルネッロ種の収穫が可能になります。またビオンディ・サンティではよいワインをつくるために長い期間をかけて熟成させているんだそうです。


■クラシカルなワイン造り

このとき、伝統的な造リ方をしているビオンディ・サンティと対照的なバンフィー社も訪問してきました。アメリカ資本が入り、近代的な造リ方をしている造り手です。

想像していたとおりクラシカルなビオンディ・サンティに対し、バンフィーはとても近代的。すべてコンピューター管理です。それは味わいにも表れていました。ビオンディ・サンティは個性的で通好み、バンフィーは万人受けというと聞こえが悪いかもしれませんが、このワインを飲んでけなす人はまずいないと思いました。

 

■ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの丘で嵐にあいました

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの丘ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの丘の頂上にFortezza(要塞)があります。これは中世の建物で、映画のシーンに出てきそうな壮大なもの。

バスから降りてそこに向かおうとしたのですが、私の強力な雨女パワー炸裂で、すごい嵐になりました。雷までなる始末。


「もう永野さんったらまた雨を連れてきてしまって!」とみんなに散々言われました。落雷を考えると傘もさすことすらできず、びしょ濡れになりながらその要塞へ駆け込みました。

するとその中がエノテカ(酒屋)になっており、トスカーナのワインや食材が売られていました。さすが地元、見事な品揃え!

ワインだけではなくチーズや生ハムや本などもいっぱい売られています。みんなもう嵐のことは忘れてお買い物に夢中になってしましました。

まったくいつになったら雨女の汚名を返上することができるのかしら。厄除けにでも行こうかと本気で考えた永野寿子のイタリア、ブルネッロ訪問記でした。

 

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