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Dear Sommelier ソムリエに綴る・・・

Vol.41 エゴ <page 1/4>

相も変わらず、野球の話で恐縮です。
野球というスポーツには犠牲がつきもので、犠牲バントに、犠牲フライ。盗塁を狙ったランナーのスタートが遅かったら空振りをしたり、ファールを打ったりして援護をする。あと、1回投げ切れば完封なのに投手交代なんてこともあります。守備では自分が捕球する時間より人のカバーに走り回る時間のほうがよっぽど長い。こういった献身こそがチームを勝利に導く。自分よりチームが優先という考え方を徹底的に摺り込まれるのです。

今回のコラムを読んでいただく前に、知っておいてもらいたいのは、僕はウエイター(サービス)ありきの20代を過ごし、ソムリエコンクールで初めて優勝したときはシェフドゥラン。ソムリエのコスチュームを着る前に、メートルドテルのコスチュームを着ていました。 ベージュ東京ではダイニングマネージャー、そして総支配人。つまり、僕のキャリアの多くはサービスであったということです。

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【ソムリエとメートルドテルの関係】

「勘弁してくれよ。料理が冷めちゃうよ。その自慢話はいいからさ。隣のテーブル、ワイン決まったみたいだよ!」

「お客さん、ミネラル手酌してんぞ、どこいったんだ!」

「また伝票にドリンク、入ってないよ。ソムリエ、探してこい!」

「おい、おい、少しは勉強しろよ。なんで同じようなソースの前菜とメインのオーダーとってんだよ」

「まだワイン残ってんのになんでデザート出しちゃうの? せっかくチーズ揃えてるんだから、進めたらいいのに。そんなに早く帰りたいの?」

「なんだよイライラしやがって。お客様の前だけか、笑顔になるのは?サービス、嫌なら接客やめちまえよ」

ソムリエとメートルドテルの関係が上手くいっているレストランというのは古今東西そうはない。仕事なんだから、摩擦や確執が起きるのは当たり前だし、それを乗り越えて上手くやってゆくのがまさに仕事の義務だと思う。ただ多くの場合、その問題は解消されず、挙句の果てにはソムリエが職場から去ることになってしまう。大抵はメートルドテルが支配人に昇格するからだ。

【ソムリエの存在価値】

ソムリエはレストランというチームの中心なのだろうか、それともオプションだろうか。「車でいうなら、エンジンがシェフ(厨房)、ステアリング(操作)がメートルドテル(サービス)、ターボがソムリエ」と聞いたことがある。またトゥールダルジャンのボラー総支配人いわく「レストランという王冠に、輝くダイヤを飾るのがソムリエ」。

うーん、要はオプションということか。

この夏、宿屋塾で「ソムリエマネージメント」と題した全5回の集中講座を開いた。ソムリエのスキルと知識はマネージメントに活かすことができ、チーム(組織)に大きく貢献できる、という内容だ。

その宿屋塾、第1回目のテーマである。日本は間違いなくソムリエ天国である。世界最大規模の協会、膨大なソムリエ資格取得者、メディアでも相変わらず取り上げられている。世界ソムリエ連盟会長は二期連続で日本人、世界大会の開催国には2度もなっている。黄綬褒章という天皇から授章されている章を過去4名も受けている。

では実際のところ、どうなんだろう?現場できちんと働きつつも、それなりの影響力をチームに与えられているソムリエはどれくらいいるのだろう?職業として本当に成り立っているのだろうか?


 

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