|
<page 4/4>
【スタッフ】
スタッフは本当に問題ですね。ホテルを含め、オープンラッシュは続きます。どこも人が欲しくてたまらない。特に5−10年の経験を積んだ、世間からすれば“割安”な中間層です。
いい話が目白押しで、キャリアアップしていくのは決して悪いことではありません。問題は“実力と充実”です。タイトルと報酬が上がれば、責任も重くなる。その役割と責任を果たせる実力があるかどうかは、残念ながら“やる気”ではどうにもなりません。
例えば、JSAの資格取得、国内コンクール入賞、テイスティングのセオリーをマスターしただけで、シェフソムリエの実力を備えてことになるでしょうか?
売上げアップへのスキルと知識は必須です。さらにコスト管理をはじめ、ストック管理、効果的買い付けしていくためには、ワインの知識とテイスティング能力だけではいい仕事はできません(ちなみにベージュ シェフソムリエの小笠原君は顔を合わせるたびに僕に「売上げアップのアイディアは?」と尋ねられています)。
料理やサービス・備品などの知識を十分に備えた“できるシェフドゥラン”というだけではやはりマネージャーは務まりません。
逆に、「自分はマネージメントを目指す」といっても、現場をよく知り、理論を実践した経験が十分になければ、机上の空論を振り回すだけ。スタッフも結果もついてこない。ただこのタイプの人は立ち回りとアピールが上手な人が多いので、上司に可愛がられて、結果がなくても結構なんとかなってるようです。
充実とは、経験を積み重ね、成長していくことです。長くいるのがいいとは思いませんが、1年位でやめてしまうのは残念ですね。今の20代の人たちは大体1年周期で考えているのでしょうか。ベージュでも1年でやめてしまうスタッフが多いです。
例えば、「森について学びたい」と考えた人が、様々な森をみて廻るよりも、ひとつの森をみつめ、共に月日を過ごすほうが、知識や理解がより深く得られ、楽しみや喜びを見出すことができるといいます。
もちろん多少は他にも目を向けなければ、見識は広がらないし、変化についていけず、年月にあぐらをかいている御大になってしまいます。
「石の上にも3年」、昔の人はやはり立派です。
いい仕事をしていくには、最低3年は必要ですね。ベージュでも3年いるスタッフはみんな本当に充実度が高いですね。いい仕事してます。
いずれにせよ、人材の空洞化は逃れられません。急展開を進めるレストラングループがそのモデルケースです。国なり、業界なりで少しは規制できないのかなと思ってしまいます。
プロ野球選手みたいに“移籍希望できるのには最低何年は必要”なんて悪くないと思うのですが。
【これからの豊かさ】〜 The ultimate luxury
日本は、特に東京ではあらゆるものが入手可能で、あらゆること(サービス)が実現可能へと急速に発展していっています。そんな現代に求められる、見直されるのは、“ゆとり”だといいます。それはごく普通のことを見直すことなんだと思います。
“あいさつをきちんとする”、“感謝をする”、古臭い説教のようだけど、こういったことを笑顔でできる、そこから生まれるのが“ゆとり”なんだと思います。ゆとりのない人は挨拶も返事も感謝もしません。
そして、それは金のためでもタイトルのためではなく、自身の“心の豊かさ”のためにする。
これこそが、現代のラグジュアリーになるんだと信じています。
ソムリエ 石田 博
|