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【ワイン】
「よいワインは、よい飲み手がつくる」という言葉があります。
料理やサービスにおいてもいえることですが、ワインの傾向は造り手サイドがつくっていくものではないということです。これは本当だと思っています。ワインは飲み手がいるから造られます。その嗜好や習慣、文化的背景、経済状況により、求められるワインが決まっていくからです。
1970年代オイルショックの影響で起こった世界大恐慌、ネゴシアンやワイン商が潰れていくと、ワインのストックが難しくなり、早飲みタイプのものが求められます。
この時代のボルドーは全体に軽いものが多くなっています。またブルゴーニュではできるだけ、クリアーで鮮やかな色のワインが好まれます。
1990年代前半、カリフォルニアワインが栄華を極めます。著名ジャーナリストの影響もあって、色が濃く凝縮した、パンチのある、アルコール度の高い、リッチなワインがもてはやされると、世界中のワインも力強さ、濃厚さを求められました。
「あの頃は、ワインは強くないと認められない。そんなことを意識して造っていましたよ」と、ある日本ワインの造り手の方から先日聞きました。
「あの頃は、ワインは強くないと認められない。そんなことを意識して造っていましたよ」と、ある日本ワインの造り手の方から先日聞きました。
「よいワイン=フルボディ」となってましたね。当時フランスワインしか置いていない店にいましたから、結構つらいものがありましたよ。かなり値の張るワインでも「軽いね」って言われてしまうのですから(本当につらいのは支払う方でしょうけど)。
近年はその反動もあってか、よりバランスがよく、なめらかなものが求められるようになってきています。前回のコラムでも取り上げましたが、コースの一皿毎のポーションが少なくなり、皿数が増えていることもあるでしょう。
あと先日感じたのですが、現代人が疲れているっていうのもあるかなと。だって力強いワインを飲むって体力いるでしょ。
ワインにおける興味も、ぶどう品種の個性から、産地・ぶどう畑の個性へと変換していっているともいえると思います。
これからは、緻密で、なめらか、余韻の長い、香りよりも味わいが充実している、そんなワインがしばらくの間は求められていくのではないかと思っています。
価格の高騰は頭が痛いですね。これは続いていくでしょう。特にシャンパーニュは簡単には手の届くものではなくなります。良質なスパークリングワインを探していきたいですね。
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