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【香り】
「テイスティングを始めて下さい」というと、とりあえず色を見ます。あくまでも“とりあえず”という感じの人が多いように見受けられます。なにせその次にはテイスティングのもっとも重要な要素、“香り”が待っているのですから。
ヒュージョンソンが「テイスティングのほとんどは香りで決まる」というほどに重要だし、みんなも“最大の難関”と考えていると思います。
さあ、全神経を集中させて、どんな香りがあるかを感じとってゆきます。
“リンゴ、グレープフルーツ、白い花……”
最初からすんなり入り込んでいける人は少ないと思います。
“ブラックベリー、ミネラル、ヨード、アニマル……”
さらに続いてゆきます。テイスティング用語はあまりに非日常的で、「ミネラルってなんですか?何って言ってよいのかさっぱりわからない」となるのは自然でしょう。でも隣の人はスラスラと表現してゆきます。講師の人も香りには時間を費やしてる。となればやるしかない。もう一度全神経を集中させて……。
ちょっとまとめてみましょう。
香りの第一印象から原料ぶどうの成熟度がわかります。第1アロマで品種の個性、第2、第3アロマでワイン造りが、そしてブーケと全体の印象からワインの熟成度合い、ポテンシャル、産地を判断するのですからテイスティングのすべてが詰まっていると言ってもいいくらいです。
コンクールのブラインドテイスティングでも多くのソムリエが香りの段階で銘柄を大体決め込んでいるはずです。僕もそうです。そう、本当に大事なんです。
ではもう一度、全神経を集中させて……。
【
味わい
】
香りの次は味わいです。散々、“香り”で神経を使った後ですから、集中力をさらに求めるのは難しいのかもしれません。セミナーなどで、「酸味はどうでしたか?」とたずねると、首をかしげながらもう一度ワインを口にする人がほとんどです。
味わいはまずアタックの強さをみます。外観、香りと常に第一印象の強さをみてきたわけですから、ここで完結。ワインの強さが最終的にわかります。ついで“広がり”と“バランス”、口の中でどのように広がるか。“広がり”は主にアルコールの強さを示します。バランスよく感じるのは12.5度くらい。口の中で刺激などは強くないけど、軽くはないという感じです。
個人的には12.5度で風味豊かで濃縮感のあるワインが好きだし、高く評価します。「十分なコクを感じるのにアルコール度が12度代とあったらそれは良い作り手ですよ」ってよく言っているんです。
“バランス”は、スマートなのか、ふくよかなのか、バランスがよいのかのいずれかです。ワインをスマートにする(引締める)要素は酸味と苦味・渋味です。ふくよかにする(広げる)のは甘みとアルコールです。つまりバランスは前者が勝ればスマートに、後者であればふくよかに、互いの均衡がとれていればバランスがよいとなります。
この時点でどのようなグラスで(バロン型かチューリップ型)、どんな料理に合わせられるかを判断します。料理については素材よりも、調理法に影響してくる部分が大きいですね。クリーム系のソースやコクのあるソースや煮込み系など、味をしっかりつけたものには、ふくよかなタイプで、シンプルな調理であっさりした味付け、つまり“素材重視”の料理にはスマートなタイプを合わせます。これを理解していない人が多いと思いますね。
「素材重視で、ソースは多用せず、繊細な味付けの料理がうちの売りです」
よく聞くフレーズです。そのわりには傍らに映るのは、力強いワインばかり……。“どこを合わせたんだろう?料理とワインは別々に味わうのかな?”と疑問に思ってしまいます。
そう考えてみると、現代では多くのレストランが“素材重視、繊細な味付け”でしょう。そうしたら、ワインは常にバランスのよいものかスマートなタイプのものが主流として、ワインの価値観でなくてはいけないというか、そういう方向に向かっていくのが自然だと思いますね。
そういえば、ベージュでは「飲みやすいものとしっかりしたものはどちらがお好みですか?」とお聞きすると「飲みやすいものがいいです」とよく言われますね。どちらかというと若い世代ですかね。
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