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【予想外の再会】
もう一つ素晴らしい再会があったんです。オープンのときにグループ・アランデュカスからヘルプにきたマネージャー、フィリップ・ボークーさんです。彼は僕より十歳近く年下で、その当時はモナコのアランデュカスのもうひとつのレストラン『バール・エ・ブフ』のメートルドテルでした。残念ながら、いい印象をあまり持てなかったのですが、11月から、また半年間という期限付きで来ることになりました。「彼なら、別にフランス人のサービスはいらない」くらいの気持ちは否めませんでした。しかし、見事に自分の浅はかさを知ることになりました。僕より、よっぽど立派なマネージャーに変身していました。素直にその感想を伝えようとしたら、向こうから「あのときは本当に間違っていた。もっと簡単によくできるもんだと勘違いしてた。今は違う。石田さん、僕は少しは変わったかな?」と言ってきた。僕は20代でここまで到達した人を知らない。今では、彼の一挙手を眺めながら、学ばせてもらっている。本当に解らないものだと。
【裏切りもまた出会いであり】
いいこともあればそうでないこともあるのは原則ですね。“人ではじまり、人で終わる”とはよく言ったものです。スタッフの一喜一憂にも頭を悩ませましたよ。よくも悪くも裏切りの連続でした。オープンニングスタッフが何人も辞めていきました。一生懸命止めたり止めなかったり。“こんなふうになったのは自分がリーダーとして不甲斐ないからなのか”と本当に考えました。そのあたりに関しては結構自信もあったんで、よけいショックを受けました。確かに僕の足りないところを気づかせてくれたと思う。僕は、“やる気がでない”とか、“最低だ!こんな職場!!”と思うこともあまりないし、口に出すことなんてあり得ない。それを堂々とやる人のことを理解することは到底無理なんですね。「そういう人もたくさんいることを理解しなくちゃだめなんだよ。あなたはそういうところが足りない」と奥さんに戒められたんです。今でもそんな人たちを理解していると言ったら嘘になると思います。でも少しは受け入れられるようにはなりました。
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