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ディアソムリエ・ナビゲーション
Dear Sommelier ソムリエに綴る・・・

ディアソムリエ <page 1/4>

ソムリエ認定試験に向けて、猛勉強の夏、一喜一憂の秋を過ごされた皆さん、お疲れ様でした。結果はどうあれ(良いに越したことはありませんが)、目標を持ち、努力されたことには敬意を表したいなっていつも思っています。ベージュからも何人かチャレンジをして、9月にはそんなスタッフを中心に勉強会を兼ねたテイスティングを開きました。もちろんそこではデカンタージュのトレーニングももちろんしました。このトレーニングをするたび(協会の講習会や以前やっていたスクールでも)、「みんなにとってデカンタージュは何だと思っているんだろう?意味や目的、その効果をどう捉えているんだろう?」って疑問を抱くんです。そこで今回は、デカンタージュを僕はどんなふうに捉え、考え、理解しているかについてお話したいと思っています。

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まずは姿勢、“みられている”という意識を
デカンタージュをみんなにどんなふうに教えているかについてですが、まず大切なのは姿勢であること。“デカンタージュはあくまで作業”といわれることがありますが、レストランで、お客様の前で行う以上、それはサービスになっていなくてはならないと思います。

接客の第一歩はまずは姿勢です。ですから、“姿勢は大切”なんです。それはみている人(試験官、お客様)にかなり大きな印象を与えることができます。トゥールダルジャンはダインングルームのレイアウト上、“みられている”と意識が強くあったのでソムリエはみんな良い姿勢でした。でもベージュは、お客様の正面でデカンタージュをすることはないので、意識をしないといけない。みんなの抜栓やデカンタージュをみていると姿勢が本当に気になります。左肩が下がっている人、大股開きの人、前かがみの人、片方の脚がだらしなく投げ出されている人、これはベージュじゃなくても本当に多いと思いますよ。ベージュのようにデカンタージュをダイニングの隅やテーブルの脇でやるような店では特に多いんじゃないかなあ。“みられている”という意識が大切です。

「デカンタージュを上手にみせたかったら姿勢を良くすれば大丈夫」とさえ、言っているんです。すっとまっすぐに立って、そのまま手だけを90度曲げて、ボトルとカラフェを持つ、高すぎず、低すぎず、90度の高さがいいです。キャンドルを置く位置も姿勢を保つ意味では大切です。ボトルをかざす真下ではなく、少し自分より遠くに置いて目線を真下にしないようにします。そうすると頭が下がらないので、前かがみを避けられます。

 

フィニッシュに意識を置く
全体を通しての動作のメリハリもとても大切です。“ていねいに、速く”をいつも意識することです。ワインはていねいにデリケートに扱い、その他の動作は素早く、効果的に行います。ていねいにゆっくりではないですよ。スピードや動作が安定している状態を保ち、フィニッシュに意識を置く。フィニッシュとは、キャップシュールを切り取る瞬間、コルクを引き抜く瞬間、カラフェやワインのボトルを置く瞬間に速度を緩やかにして、最後の動作に意識を置くことです。そうすると、多少粗っぽくなっても“ていねいな”印象を与えることができます。逆な人が多いんですね。出だしがゆっくりというかのんびりしていて、急にせわしくなってフィニッシュに意識が感じられない。フランスの人はこれが上手な気がします。

 

ワインを持っているときは、たとえそれが若いヴィンテージのものや、白ワインであっても角度を常に一定に保ち、振動を伝えないように配慮します。

ワインを持っていないときは、素早くです。カラフェ、キャンドル、テイスティンググラス、トーション(リトー)などを手に取ったり、動かしたりするのにていねいさは必要ありません。“効果的に、段取りよく”です

多くの人が逆になってるんですね。ワインの扱いは不安定で、キャンドルに火を点ける、テイスティングをするなどは妙に“もったいつけて”やっている。これは“雑だけど、遅い”なんですね。

効果と流れ
“効果的に動く”、これを僕はとても大切にしています。これはデカンンタージュに限らないことです。よくいるでしょ、やたらと人や物と時間、ときにお金を使って、ことを大げさにしている人って。資源の無駄遣いですよね。まあそれはいいとして、すべての作業において、できる限り動作、手数というんですかね、それらを少なくしたい。

それはとても細かな、小さなことなんですけど、たとえばサービスワゴンを動かすにしても、後で向きや位置を調整しなくてもいいように一度で“ここ”っていう場所と向きで置く。「一度置いたら動かすな」と言っています。また、多くの人がコルクを抜いた後、一歩下がってコルクをスクリューから取り外していますが、僕はその“一歩”をなくしたいんです。一つ一つの動作に意識を置いてジャストのセッティングをしなさいっていうことです。料理のサービスでも同じことがいえます。たとえば四人にサービスを一人でするとき、いち早くサービスしたいからと、まず片手に二皿、もう一方で一皿もって三人にサービス、その後残りの一皿を。それなら二皿ずつサービスすればいい。その方がずっとていねいにみえるし、せわしくない。スピードだってまったく遅くならない。

“効果的に動く”とはそういうことで、そうでないと、ムリやムラが生まれ、正確さやスピードに必ず悪影響を与えます。

段取りもとっても大切です。最初にワゴンをテーブルに寄せて、ワインをプレゼンして、カラフェやグラスを用意する。火を点けて、ワインを開けて…当たり前のことのようですが、これも意識がないと、段取りは悪くなります。手数や時間をよけいにかけてしまうということです。僕はどんなときでも、この手順は毎回変わりません。コンクールでも、セミナーでも、現場でもです。この繰り返しが作業に“流れ”を生むんだと考えているからです。“当たり前のことを、いつでも確実に当たり前に行う”のがプロなのではないでしょうか。

 


 

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