<page 1/4>
邂逅(カイコウ)。とても好きな言葉です。
以前も話したと思います。人生を変えるような素晴らしい出会いのことをいいます。こういうと少し大げさな感じがするけれど、実際に皆さんも多かれ少なかれ、ある人やもの、こととの出会いから影響を受けて、それが今日でも自分にとって大切な部分を占めるなんて経験はあるかと思います。
僕は器用でもないし、センスもあるほうではない。でもそれなりにやってこれたのは、そんな何にも変えがたいいくつもの邂逅のおかげだと思ってるんです。野球に、ホテルに、ソムリエ、そして今井さんに、田崎さん、ボラーさん、それとジャン・クロード・ジャンボンさんに、セルジュ・デュプスさん、そしてアラン・デュカスさん。キリがありません。
今回は僕にとっての最近の邂逅のひとつを紹介したいと思います。
-----
* 野球 http://www.exwine.com/dear_sommelier/06_01.html
* 今井さん http://www.exwine.com/dear_sommelier/01_01.html
* ボラーさん :クリスチャン・ボラー氏。トゥールダルジャン日本代表兼総支配人。在日30年になり、同レストランの発展だけでなく、日本におけるフランス文化の普及に貢献。
石田をトゥールダルジャンに採用したのがボラー氏。コンクール参加などに深い理解と協力をよせ、結果、2002年全日本コンクールファイナリストにトゥールダルジャンから3名が選出され、その他タイトルホルダーを輩出した。2000年世界コンクールにはモントリオールまで出向いた。
* ジャン・クロード・ジャンボンさん:1986年世界最優秀ソムリエ。パリ、ミシュラン二つ星レストラン『フォージュロン』のシェフソムリエ(現在はクローズ)。親日家ソムリエのひとりであり、日本ソムリエ協会への貢献度は高く、1996年第1回全日本コンクールのゲスト審査員。正統派ソムリエの鏡であり、現場第1主義を貫いた。
* セルジュ・デュプスさん:1989年世界最優秀ソムリエ。ミシュランガイド三つ星のアルザス、『オーベルジュ・ドゥ・リル』シェフソムリエ。世界ソムリエ協会の中心的人物であり、世界中のソムリエのモデルともいえる大御所。ソペクサ・グランプリ、ルイナール杯、世界最優秀ソムリエの3冠という前人未到の大記録をもつ。
* 田崎さん、アラン・デュカスさん:いうまでもないでしょう。
□ □ □ □ □
【 予想外の出会い 】
ベージュ東京にくるにあたり、僕はダイニングマネージャーというタイトルではあるが、ソムリエとしての技術や経験を存分に活かすつもりだった(もちろん実行している)。
「ジェラール・マルジョンというソムリエがグループ・アランデュカスのワインリストをすべてみているので、彼に従ってほしい」といわれ、フランスの優秀なソムリエなら結構知っていると傲慢にも思ってた僕は「誰? それ。ちゃんとしてるのかなあ。あまり変なフランス人に仕切られたくないなあ」とそうぼやいていた。
「オープン前にグループ・アランデュカスのレストランをぜひみてほしい」とパリにいかせてもらった。
プラザ・アテネのラウンジに現れたそのシェフソムリエは180cmをゆうに超える大男で、キリっとした目に、高い鼻。僕がこれまで出会ってきたソムリエより、ハンサムで、オーラを放っていた。それから、15分ほどの間で僕はマルジョンさんが世界トップクラスのソムリエとしての技術と経験を持っている人間だと悟ることになる。
わずかな会話のなかから、彼のソムリエに対する“プロ意識”がビンビン伝わってきたのである。特に印象的だったのは、彼はよくいる“ワイン大好きソムリエ”というよりは、“管理”という面に重心を置いている点。ストック、コスト、売り上げ……そんなことに関する話を理論的に、無駄なく、テンポよく話していった。
前職ではすでにマネージャーを務めていた僕にとっては、マルジョンさんの話はとても魅力的で、興味を引くもので、あらゆる面でとても刺激を受けた。これはいまだにそうで、2ヶ月に1度の彼の来日では、僕はソムリエとして、管理者として、ブラッシュアップのきっかけをもらっている。まったく“予想外の出会い”だった。
|