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「この問題をそのままテキストにして、準備したら世界大会でもいけますね」
「そうね、あとはそれぞれを展開していけばバッチリだね」
試験前日、問題の最終チェックをしながら、そう阿部さんと話していました。
制限時間は1時間、問題数は80問超、回答数は240にも及びます。1問に使える時間は20秒ほどもないのです。
「時間、少なくないですか?」。田崎さんに聞きました。
「いやあ、ほとんどの選手は余るんじゃないかな」、
「あっ、そうか。解らなければ、ページをめくるだけか」
それほどまでに難度の高いテストだったのです。実際に試験開始まもなく多くの選手のペンは止まり、天を見上げる選手、目を閉じたままの選手など降参状態だったと聞きました(こんなとき、いろんなことを想うのでしょうね。これまでの自分とか、「明日は、棚卸しだったなあ」とか)。そんななか、ひたすらペンを動かしている選手ももちろん数人いたそうです。
「解答率、40%超えたらそのまま世界に出しても申し分ないね」とすらいわれていたのですが、そのK点を超えた選手が二人いました。佐藤陽一さんと谷宣英さん(トゥールダルジャンソムリエ)です。本人に聞かずとも、どれだけの努力をしてきたのかが十分に想像できます。特に佐藤さんはご自身でお店を経営され、サービスし、セミナー活動をして、事務所運営もされている。そして、二児の父親。時間には決して恵まれてはいないはずなのに、本当に素晴らしいです。
今回のような問題数が多い試験の場合は、言うまでも無く、考える時間はありません。すぐにわかる問題だけ書き込んだら、すぐ次に進む。解らないなと思ったらすぐ次、すこし考えれば解りそうなのは、折り目つけるなどしてやはりすぐ次。時間を一切むだにせず、最後までやり遂げることが大切です。解らない問題ばかりでも80問目に解る問題があるかもしれない。また「あー、これ解る!なんだろう?」っていう時間にロスももったいないです。それなら後で考えることにして、確実に解る問題だけ答えていけばいい。こうすると、いつも書いている状態がつづきます。できる選手は採点をしなくても判ります。それはいつも書いているからです。いつも上を向いたり、目を閉じたりしている選手よりもポイントを確実に稼いでいるからです。考えるのは全部終わってからでいいのです。
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