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今回はソムリエの本質的な部分というより、オプション的な部分、グラスについての話をしたいと思います。オプショナルとはいえ、グラスなしではワインのサービスができません。お客様に快適なお食事をお楽しみいただくためには、清潔で、そのワインに適したグラスは欠かせないものです。ワイングラスを選ぶときにはそのワインに適しているかだけでなく、もうひとつ大切なものに適していなければいけません。それはなんでしょう。そんなことについて、今回はお付き合いいただきます。
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グラスの歴史
ガラスの歴史はたいへん古く、紀元前4000年にまで及ぶといわれています。そしてローマ帝国の時代に吹製技術が普及し、3-4世紀には透明なガラスづくりが行われていたのです。
ローマ帝国が滅びると、ヨーロッパにおいてのガラスづくりは中断しました(しかしながらフランスのもガラス製品があったようで中世の絵画にガラス容器が描かれています)。
しかしガラスづくりが継承されていたイスラムより技術を持ち帰ったイタリア人により、ヴェネス、そうヴェネチアングラスが発展してゆくのです。そして15世紀には現在のワイングラスの原型が誕生しています。それからはボヘミア、イギリスへとグラスづくりは広まり、1675年にクリスタルガラスの製造法が発明されました。
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日本のレストランでのグラスについての認識はどうでしょう。
僕が就職した頃(1990年)、まだワインを本当の意味で尊重した感じはなかったように思います。とても両極端だったんですね。高級店ではカットの入った重厚で、高価で豪華な、(こわれやすい)グラス。一方では、グラスにワインを注ぐのが極めて困難な、シェリーグラスと見まごうような小さな、粗末なもの。カジュアル店ではオマケでもらいましたといわんばかりの厚手のゴブレットのようなもの……。
そこにワインの味わいや香りの広がりなどへ対する配慮というのはなかったんじゃないかと思います。いや断じてありませんでした。その当時僕が働いていたホテルのメインダイニングでもカットの入った重いグラスがシリーズでズラリと揃えられていました。ゴブレットも白ワイングラスも赤ワイングラスもすべて同じ形状で。
ワインに応じてグラスを替えるなんて夢のまた夢の世界でしたね。
もっともその頃、ワインについてソムリエでもないのに、熱心に勉強することすら稀なことで、僕は周りから珍しがられていましたよ。というか「煙たがられていた」というほうが正しいかも。
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