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具体的な数字でみてみましょうか。
まず売上を予想しましょう。30席の店だとして、料理単価はランチ¥5,000、ディナー¥10,000。だいたい月の売上が800万円。飲料の売上構成比30−35%は欲しいので、240−260万円。この金額から始まります。
ストックは月の売上のほぼ同じがいいので250万円、多くて300万円。このあたりが適正でしょう。これで原価率を30%に設定すると、月にだいたい1/3のストックが廻っていく(売れていく)ことになります。ストックの流れは1/3にとどめておくほうがいいでしょう。それ以上はあまりよくありません。アイテムの入れ替わりが頻繁になりすぎるからです。
“この間飲んだワイン、美味しかった”とおっしゃっていただけるありがたいお客様を裏切ることになるからです。リストの刷り直しや在庫管理、経理上の手間も増えてしまいます。ABC分析(どの商品がよく売れているか)の鉄則である売れ筋アイテム群(売上の75%を占める)を切らさないためにもアイテム変更は全体の4分の1までにとどめたいのです。
話を戻します。まず300万円のストック、つまり買い物ができます。まずワインの平均原価を出します。料理単価が1万円ですから、8,000−20,000が主な価格帯になりますね。ということは原価率30%の設定ですから、原価は¥2,400−6,000。平均にすると¥4,200。ストック額÷平均原価でストック本数が出せます。つまり約700本、各アイテムを5本揃えるとすると約140アイテムとなります。整理しましょう。
店の規模:30席、売上 800万円、うち飲料250万円。原価率30%。
ストック:300万円、700本
アイテム数:140種
月消費:80万−100万、200本
となります。そして、月に購入できるのは、“売れる分だけ買う”ですから、100万円となります。これをきちんと守れば健全な運営といえるでしょう。
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今回は触れませんが、まだまだやるべきことは沢山あります。リストのデザインやプリント法、ページレイウト、字体や表記法、カテゴライズ…。
しかし実際にここまで考えなくても、ワインリストはつくれます。オーナー(シェフ)やマネージャーがワインをみていくのであれば、必要はそれほどないでしょう。
しかし、ソムリエとしての職業意識を尊重するのであれば、ワインリスト造りは集大成であり、アートでもあるのです。
よいワインリストは売上と利益をもたらし、レストランのコンセプトの具現化に大きく貢献し、お客様と従業員の満足を引き上げることができます。ソムリエのプロ意識を表現するものなのです。
最近、ものごとの“本質(=Essentiel)”とはよく考え、巡らせているんです。たとえば、少し大げさだけど、人生の本質は家族、アランデュカスさんは料理の本質は断固として素材だといいます。それでは、ソムリエの本質はワインリストにある。僕は確信を持って、そう考えます。今も昔も、西でも東でも、常に議論をかもすソムリエの存在意義。ソムリエの存在価値そのものを表すのがワインリストだからです。
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