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ストックスペース。当たり前のことですが、とても大事です。ワインをたくさん買っても、セラーにきちんと入りきらず、ワインの箱があちこちに山積み、足元にも転がっている。これじゃあ、在庫管理だなんてあったもんじゃありません。キャパシティ(収納能力)とポテンシャル(販売能力)をきちんと把握したうえで計画を立てなければならないのです。だいたい月の販売本数の3倍以上がストック本数の理想になるのでそれくらいのスペースは欲しいものです。
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購入計画が出来上がったら、調達開始です。インポーターから直接買うよりは、リテーラー(業務卸しをする酒販店=クルティエ)を介するといいでしょう。いろんなアイテムを探してくれるし、1ケース以下のバラ購入も可能です。小回りがよくきくので、ストックをあまり持たないレストランにはとても助かる存在です。2−3の信頼できるリテーラーがいればほとんどの調達は済んでしまうのです。取引口座をいくつも開かなくてもいいのも利点です。
インポーターからダイレクトに買う場合もあります。これは特にインポーターから特別なプロモーションをかけてくることがあり、その際は直接購入することになります。割安な価格で購入できるのがメリットです。
あと、イギリスのネゴシアン経由など正規輸入以外を取り扱うリテーラーもあります。これはスポット購入になるでしょう。メリットは(正規では)入手困難なバックヴィンテージや希少な造り手のワインを割安な価格で購入できることです。しかしオファーが限定数のため、追加購入ができず、キープもききませんのでオンリスト(ワインリストに載せる)には向きません。ソムリエが特定の顧客に「今、こんなのがあるのですが…」といったリコメンドをする店ではいいでしょう。僕は個人的に“裏リスト”が好きではないので…。
ロマネコンティやペトリュスなど年に何本も売れないようなものは割安プライスで載せられるのでいいですよね。
どのルートを使うかは用途次第なんです。ここは店の財務面、管理面にも関するポイントなので、きちんと計画をたてましょう。リテーラーは魅力的なアイテムを随時提案してくれます。ときに数量限定や期間限定で。“あれもいい、これもいい”で買ってしまうと、経営に少なからず影響を与えてしまいます。“売れる分だけ買う”を守りましょう。
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特定の取引先からだけの購入をしていると割高な買い物をさせられてしまうこともあります(もちろん逆もあります)。いわゆる癒着も生まれやすい。適切な市場価格を知るために複数のリテーターから相見積もりをとるのが基本です。ワインは市場価格がしっかりしているので価格差は¥1,000にもなりませんが、1円でもコストセーブできるのはいいことです。また少し触れましたが相見積もりをとるということはフェアな取引を意味します。公正さを保つということは社内外において大切なことだと僕は考えます。
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ヴァリューの高い(よい造り手の、飲み頃を迎えた)ワインは買い手がたくさんいます。つまりすぐになくなってしまいます。また購入額を抑えるために協賛依頼をする、そんなときに使う手が“キープ”です。現実的にはそんな沢山買えないけど、継続的にオンリストしておきたい。そんな場合、リテーラーにキープを頼みます。「とりあえず購入は1ケースだけど、来月、再来月も必ず売れるので10ケースキープしてください」という具合です。そうすれば月の出費も抑えられる。ストックスペースの心配もいらない。ソムリエも安心してそのお勧めアイテムをセールスできるのです。
しかし注意も必要です。キープはいわば購入の約束です。必ず買わなければいけなくなります。ストックを抱えていることと変わりはないのです。やたらとキープしてしまうと、そのうち動かないアイテムもでてきます。そうするとリテーラーに負担がかかってしまい、買い上げをしなくてはならないこともあります。結果、過剰ストックを抱えることとなり、ストックや購入の負担を抑えるためのことが、本末転倒になってしまいます。
売れるアイテムなら、「他に廻すからいいですよ」という話になることもあります。しかしいずれにせよ、信用はなくします。次からキープはなかなか聞いてもらえなくなるでしょう。できもしない約束をすると後々つらくなります。また長期間に及ぶ約束も避けたいものです。“売れる分だけ買う”、本当に鉄則ですね。
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