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例えばトゥールダルジャン東京では月のワイン売上の20倍近くのストックを持っています。対してベージュ東京では月売上とストック額がほぼ同じです。
どちらがよいかという話になると品質の面においていいのは、トゥールダルジャンのようにストックを持つほうです。その売りはなんといっても、状態のよい、素晴らしい成熟を遂げたワイン、時にオールドヴィンテージやグレートヴィンテージのワインがそれも市場価格よりかなりヴァリューの高いプライスで提供できることです。お客様にとってはたいへん魅力的なリストが実現できるのです。
そのかわりに購入したワインが売上を生むのはそれから数年後なわけですから、経営的に体力がないとそうはいきません。経営的にみて優等生なのはベージュ東京のようなやり方です(というより資本が少ない場合はそうせざるをえません)。
しかし、トゥールダルジャンのような魅力をだすのはとても困難です。各アイテムのストック数が少ないので品切れを出しやすい。在庫チェック、発注、納品管理、ワインリストの更新などの業務の流れがきちんと確立していないと品切れが連発してしまい、お客様に迷惑をかけてしまうし、なにより信用をなくします。
ベージュ東京もその例に漏れませんでした。とっくに無くなってしまったアイテムがワインリストのあちこちにある、いわば地雷だらけなのです。地雷撲滅に尽力をした故ダイアナ妃のごとく、業務改善に力を注ぎましたが、それは決して簡単ではなく、本当に苦労しました。やっとなくなったと思っても日々どこかで地雷が生まれるのです。
もちろんよい点もあります。いつでも必要されるアイテムを購入できることです。アップデートにニーズに合わせたアイテムを補充することができるからです。(ストックにおいて)身軽な分早いアクションが可能となるのです。これがストックが多いとそうはいきません。いくら資本や(経営側の)理解があるといっても限度があります。“売らなきゃいけないアイテム”が多いと“売りたい(=売れる)アイテムをいつでも買える”の違いが生まれるのです。
長くなってしまいましたが、どちらがいいという話は別にしても、“どれくらい売れる”かをきちんと予測(設定)した上で、購入計画を立てなければいけません。その予測は決して“心意気”じゃあないですよ(もちろん大切なことですが)。予算に基づくものでなくてはいけないのです。特にストックをある程度持つのであれば、綿密な計画が求められます。それぞれのワインのポテンシャルを捉え、どれくらい(本数)買って、年にどれくらい売って、何年かけて熟成(ストック)させていくのか。この計画をきちんとたて、実行できればリストは素晴らしいものです。基本は“売れる分だけ買う”です。
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