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【立地】
これは最近思うようになりました。影響大だって。例えば高級住宅街のど真ん中と、居酒屋がひしめく繁華街とでは求められる価格がまったく違う。街による消費単価の違いというのもあるらしいし。渋谷、目黒、銀座とではかなり開きがあります。また周りにどんな店やオフィス、施設があるかによっても違ってくる。
あまり気にしてもいけないけど、意識をしておくと違うと思う。
“売れる価格帯”をしっかり掴んでそのゾーンで勝負ができるセレクトをしておけばワインはよく売れます。外してしまうとリコメンドが難しくなります。多くのお客様が¥8,000〜¥12,000を希望しているのに、そのゾーンの品揃えが乏しい。それじゃあいいサービスは難しいよね。
【価格帯】
ここまでで大体の価格帯は決まります。あと料理に対するバランスが大切です。
基本は料理単価の70〜80%。よく言うんですけど、料理との相性において両者の価格(価値)をあわせることって。いくら味覚的、風味は合っているとはいえ、高級素材にジェネリックなワイン(低価格)は、違和感があります。“格をあわせる”っていうんですかね。そのあたりも大切です。
原価率も大切です。経営者が設定する原価率(=ワインでどれくらい儲けるか)を守らなければいけません。これは低ければいいというものではなく、適正でなくてはいけない。儲けすぎは顧客満足を下げていることですから。
【顧客層】
立地と似ているポイントです。フランス料理をボキューズの時代から食べているという重鎮とフージョンもオッケーな若年層が共存するレストランはありません。ターゲットにあわせて絞り込んでいくとメッセージ性がでていいですね。年齢層でみると生産者とその顧客層との年齢をあわせるといいでしょう。ご年配の方には王道のアペラシオン、権威ある造り手、若い方には若手生産者で、アペラシオンも幅広く。国籍はあまり問わず幅広くても受け入れられます。
【料理】
料理の方向性。これは顧客満足のためにきちんと抑えたいですね。クラッシックかモダンか、スペシャリティとする素材や地方、シェフの個性(師事したシェフや地域、出身など)。
コントラストを狙うのもいいけど、やっぱりそれぞれの要素を合わせていくほうが自然だし、解りやすくていいと思う。
あと、年間である程度決まったフェアを行うのであれば(例えば春アスパラガス、夏オマール、秋フォアグラにキノコ、冬はトリュフとジビエ)、それらに対応できるセレクトも必要になってくる。トリュフメニューをフィーチャーしているのにリストに若いヴィンテージのフルーティーなワインしかないのはまずいからね。
【サービス】
どんなサービスを展開してのかもとても大切。ソムリエをきちんと配置した王道サービスなのか、それともウエイターがワインサービスもするフレンドリーでスピード感のあるスタイルなのか。着物の女性がサーブするのか。カウンターなのか、バイザグラスがメインなのか、サービステーブルを使うのか、デカンタージュ用のカラフェがあるのか、お客様の滞在時間はどれくらいか……。
いろんな要素がありますよね。どの店もワインを出すならこう……とソムリエ協会認定のサービスをする必要はありません。カジュアルなビストロでキャンドル点けてデカンタージュされても気まずいですからね。カラフェもないのにオールドヴィンテージがズラリではおかしいし、滞在時間1時間半くらいの店なのに“このワインは1時間ほど経つと開いてきます”言われても困ってしまう。きちんとした知識をもったサービススタッフがいないのにイタリアのVDTやIGTがラインナップでは売ることができない。
王道サービスにはそれに合ったワイン、つまりボルドークリュクラッセやブルゴーニュのグランヴァン、シャンパーニュのグランメゾンがふさわしい。金のバッチに革のタブリエ着けたソムリエにオーストラリアのスクリューキャップワインを開けてもらってもねえ。そんなワインはノータイで白いシャツのウエイターにリズムよくサービスされたほうがいい。
つまり、その店のサービススタイルやスタッフなど諸事情に合ったワインが揃えられているべきなんです。
こうして、レストランのコンセプトにきちんと合わせたワインを揃えれば売上は必ず向上します。ソムリエとして、“ワインを売る”というもっとも重要な使命を果たすことになるのです。
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