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こんな出来事から、ワインのセレクトの方向性が変わってきました。
いいワイン=しっかりしている(色が濃いとか、渋いとかじゃなくてね)。
いい品揃え=強いワインがズラリ。
うならないようにしなくてはと思うようになったんです。だからワインをテストするときは良し悪し以上に箱にあっているか、ベルヴューのどんな料理とどんなお客様にあっているのかを重視しています。
「少し軽いかな」と思うくらいがちょうどいいなと。それにイタリアンってそんな軽さがいいところでもあるわけだし。造形美や完成度、複雑さを求めるフレンチに対して、イタリアンって少しくずした感じをよしとするところがあるでしょう?
ご提供いただいたサンプルに対して、「ワイン自体はすごくいいけどしっかりしすぎ、複雑すぎるから、ウチには合わないな」とお断りすることもあります。ほんとうはいいワインだと思っているんですよ。ただ(自分のところの)料理やサービスするシチュエーションが浮かばないんです。
だからムルソーやジュヴレイよりオルヴィエートやキアンティのほうがずっとしっくりくるし、おいしく感じるんです。決してイタリアンだからイタリアのワインというわけではなくて(ちなみにウチの料理はコテコテのイタリアンではありません)。逆もしかりでしょう。グランメゾンでオルヴィエートやキアンティではないはずです。
トゥールダルジャンの頃はもちろんフランスワインだけ。ボルドー、それもメドックのクリュクラッセを中心に揃えます。鴨の店ですから、サンテミリオン、ポムロール、ローヌ北部を充実させるようにしていました。当初は、ほとんどがメドックでポムロールなんてほんの少しだった。まあ、置いてもあまり知られてなかったからそんな売れなかったんでしょうけど。個人的にはね、トゥールダルジャンの料理に一番しっくりくるのはポムロールだと思っているんです。造り手も、店に(伝統、王道、クラッシックという)合わせて、話題の造り手とか若手とかにはあまり手を出しませんでした。
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