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Dear Sommelier ソムリエに綴る・・・

一年ぶりに再開した僕のページです。一時期、自分の思想や方向性を表現するということを忘れていたこともありました。忙しさという甘えからですね。同年代で活躍している人たちのことを聞いたり、読んだりしているうちに『これじゃいけない。何か考えなきゃ』と思い立ち、再開となりました。エピローグとなるコラムを先月メールマガジンという場を借りて発表しました。

新しいタイトルの『Dear Sommelier』。いい言葉でしょう? 同年代や後輩のソムリエみんなに送る手紙みたいなものという意味からこうつけました。結構他愛のないことを書いたりしますが、どうぞお付き合いを。

Vol.1 夢を売る人 <page 1/3>

原点といえば、欠かすことのできない人がいるんです。
『Dear Sommelier』という言葉はその人から送られたのです。今井雄一さんといいます。

ワイングラス・ボトルイメージ話は飛んで、1990年4月ホテルニューオータニ。 本配属発表の日。

ドキドキ、ワクワクですよね。僕はレストラン希望でした。オータニときて、レストランとくればトゥールダルジャンですよね。専門学校時代の先輩や友人に「まさか狙ってないよね」なんてからかわれていましたが、もちろんまんざらでもないわけで。

でも期待はちゃんと裏切られました。ほかの人の名前がトゥールダルジャンと共に発表されました。そのときは拍手が起きたんです。別格ですからね。今年度のエリート社員発表を聞くような気分でしたよ。

でもまだメインダイニング配属(準エリート)の望みが残っていました。それでやっぱり期待は裏切られました。

こんなもんだよな、と心の中でつぶやき、「でも客単価は高いほうだし、40階にあるなんてすごいよな」と前向きに考えたのを覚えています。少なくともこれまでの自分の生活とは別世界でることは間違いありませんから。
僕の配属先は「トップ・オブ・ザ・タワー」というビュッフェスタイルのレストランでした。

僕の役割は元卓といって、何十種類もの料理がならぶビュッフェ台の補充係。
結構、毎日忙しかったですね。補充したばかりの料理が何分もしないうちになくなってるんです。

バスツアーのお客様もよくいらしていて、人波をくぐりながら料理を補充なんてこともありました。

落胆はありませんでした。毎日楽しかったし。職場の先輩方にも恵まれていたと思います。
みんな明るく、冗談を言ってはよく笑わせてくれました。
そのおかげか、やりがい抜きにして仕事は一生懸命やりましたよ。

いかに料理を切らさないか。ブッフェ台をキレイに保つか。
営業終了後に処分(ロス)する量を減らすか。そんなことにこだわってやってました。
レタスはサラダコーナーのエースです。セットする前に数分冷凍庫にいれておくとパリッとします。
品質的にはよくないのだろうけど、お客様がレタスをとる時にパキッと音が鳴るので、『わあ、このレタス新鮮!』と聞こえてくれるので、内緒でやっていました。

料理イメージ

とはいえ、その頃他のレストランの同期と会うのが嫌でしたね。みんな接客はもちろん、第一線でがんばっているというのがよくわかるからです。

ポケットにソムリエナイフさしてる奴もいて、「ワイン空けたりもするの?」と聞くと、「いやあ忙しくてね」なんてあたりまえの顔をして答えるんですよ。トゥールダルジャンの奴にいたっては早くも別格の雰囲気をかもし出してて、もういやーな気分でしたよ。

体力もつき、作業に慣れてくれば、仕事自体はそれほど難しいものではなかったな。いや、その奥行きに未熟ゆえに気づかなかっただけもかもしれないけど。ともかく精神的にも余裕がありました。夜勤・明けのシフトなので、仕事の日でも家にいる自由な時間が多かったんです。休みも月10日くらいもらってたかな。


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