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ドメーヌ・シャンパーニュ

カフェ・ミーティング ドメーヌシャンパーニュコルク


本日も柳氏がオーナーを務める 「ソムリエズ・カフェ」 に3人のトップソムリエたちがふらりと立ち寄りました。オーナー柳氏が今回トップソムリエたちに試飲してもらったのはドメーヌ・シャンパニュ。仕事を離れ、普段着のままカフェで団らんするソムリエたちのお話を覗いてみましょう。


【1】ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
―使い勝手のいいガティノワ、現場の人間が好むルネ・ジョフロワ ―
【2】モンターニュ・ド・ランス
―ボリュームのアンボネイ、エグリ・ウーリエはクーラーいらず ―
【3】コート・デ・ブラン
―正統派、個性派。それぞれのブラン・ド・ブラン―

【最後に】 各ソムリエたちにおすすめドメーヌ・シャンパンをあげてもらいました


情野:
こんちはー。

オーナー柳:
いらっしゃい。おや、お揃いで。

石田:
最近、業界筋ではドメーヌ・シャンパンって騒がれてるでしょ。トゥール・ダルジャンは基本的にグランド・マルクしか置かないんだけど、そのあたりの情報を佐藤さんに聞こうと思って。

佐藤:
うちで置いてるのはガティノワとかラサールとかね。ハウスシャンパンはお客さんの好みに応じて変えてるので。

オーナー柳:
このお店でもどうしようかと思って、ちょうど取り寄せたところなんだよね。

石田:
うわあ、12種類もあるの? どういう風にテイスティングしましょう。

佐藤:
まずヴァレ・ド・ラ・マルヌ、次にモンターニュ・ド・ランスのもの。最後に酸の強いコート・デ・ブランかな。

 


【1】ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
―使い勝手のいいガティノワ、現場の人間が好むルネ・ジョフロワ―


情野:
では、
・アイ村のガティノワ(PN90%、CH10%)
・キュミエール村のルネ・ジョフロワ(PN50%、PM40%、CH10%)

から。

グラスイメージオーナー柳:
色が濃いね。お客さんは注がれた瞬間、びっくりするかもね。「あれ?ロゼ頼んだんだっけ」って。

石田:
ガティノワはふっくらとしてますね。

佐藤:
しっかりとして強いし、料理に合わせられるので外せないアイテム。

石田:
反対にシャープなものは手の込んだ料理との相性が難しい。それに素材そのものでシャンパンのシャープさに対向するなら、かなり良い素材が必要になってくるでしょ。

佐藤:
温度が高くなっても酸はしっかり残ってくれるし、料理とのひっかかりもいいので、ガティノワは使い勝手がいいんだよ。たまに冷やし忘れて、温度が上がちゃっても……。

石田:
「ふくよかだなあ、まろやかだなあ」って、お客さんが納得してくれる(笑)。ガティノワはカーヴが温かいのかなあ? よく言うでしょ。シャンパンの適温はその地方のセラー温度だと。

オーナー柳:
ルネ・ジョフロワはどう?

情野:
けっこう好き。

石田:
チャーミング。

佐藤:
現場の人間はこういうの好きなんだよね。あまり押しが強くなくて、フワーッと飲めちゃうシャンパン。

 


【2】モンターニュ・ド・ランス
―ボリュームのアンボネイ、エグリ・ウーリエはクーラーいらず―


アンリ・ビヨオーナー柳:
次はモンターニュ・ド・ランスに移って、
・シルリー村のフランソワ・スコンデ(PN67%、CH33%)
・ブージィ村のポール・バラ(PN80%、CH20%)
・アンボネイ村アンリ・ビヨ(PN75%、CH25%)、
・エリック・ロデス(PN50%、CH50%)、
・エグリ・ウーリエ(PN70%、CH30%)。


グラス石田:
フランソワ・スコンデってデリケートだね。

情野:
これ一番好き。

石田:
ポール・バラ濃いですね。黄金色。ポール・バラも泡立ちがきめ細かく、良い酸味があって、優しい味わい。

佐藤:
ブージィにしては上品。もっとベタっとくると思った。

オーナー柳:
ところで、ドメーヌ・シャンパンというからには自社畑のぶどうのみからシャンパンを造ってるわけでしょ。ブージィのRMなら、たいていブージィの畑のみだよね。それで、こうシャンパンに仕上げた場合、果たして、明確なテロワールの表現が可能なのかどうか知りたいんだけど。

石田:
まずはクリュの特徴が認知されないと……ということは言えるね。例えば、カリフォルニアでもオークヴィルとスタッグス・リープのカベルネの違いだって明確に答えられない。

オーナー柳:
同様にブージィとアンボネイの違いなんて線引きできない。

佐藤:
シャンパーニュってやっぱり北の産地だから、ヴィンテージによるムラをなくすためにもブレンドが必須だったわけじゃない。でも小さな造り手はあちらこちらからぶどうを買うこともできず、自分の畑のぶどうからシャンパンを造って、独自の特徴を際立たせようとしている。1つのクリュでも重いタイプもあれば軽いタイプもあって、選ぶほうが困っちゃうよね。

石田:
いろいろ並べて比較できる我々は恵まれてるわけで……。

情野:
グランド・マルクのシャンパンはセパージュを隠したりするけど、ドメーヌ・シャンパンはもっと情報を公開してわかりやすくして欲しいよね。

佐藤:
そうそう。ここは北の産地でピノが多いとかね。シャンパーニュの味の違いって説明難しいから。

石田:
数年前、パリのハイパーマーケットでワイン売り場の棚を賑わしていたのはみんなドメーヌ・シャンパンでしたね。

オーナー柳:
メニルとか、アイとか、アンボネイとか、100%格付けの有名なクリュならマーケティングもしやすいと思うんだけど、それ以外の村のドメーヌ・シャンパンってどうなのかなあ。

佐藤:
もともと生産量少ないし。

情野:
大手でもニコラ・フィアットみたいに、ブレンドのコンポーネンツを分解して、テロワール重視のシャンパンを造るところが出てきたでしょ。ドメーヌ・シャンパンの人気が上がってるから、大手もそういう方向を向きだしたんじゃないかな。

モエ・エ・シャンドン佐藤:
なんといっても量ではモエとドン・ペリニョンには勝てないから。すると、自然に行き着くのは造り手の個性や土地の表現なんだろうね。

オーナー柳:
バッグでいうと、どうしてもヴィトンじゃないとイヤだというブランド嗜好の人もいれば、町の職人が一個一個丹念に作ったものを長年愛用する人もいると。

石田:
景気良くバンバン飲むのはグランド・マルクで、じっくりと2人で1本空けるのはドメーヌ・シャンパンとかね。それに、グランド・マルクのシャンパンはちょっと固い部分があって、冷やして飲んでおいしい。対して、ドメーヌ・シャンパンは全体に柔らかいから温度が上がっても飲めるでしょ。

とくにアンボネイのシリーズはヴォリュームがすごい。エグリ・ウーリエなんて、最初、香りが強烈でビックリしちゃうのに、時間が経つとものすごくおいしい。クーラーいらずのシャンパン。

 


【3】コート・デ・ブラン
―正統派、個性派。それぞれのブラン・ド・ブラン―


オーナー柳:
最後にコート・デ・ブラン。すべてシャルドネ100%のブラン・ド・ブランですね。
・アヴィーズ村のジャック・セロス
・クラマン村のギィ・ラルマンディエ
・(同じクラマン村の)ランスロ・ロワイエ
・メニル・シュール・オジェ村のギィ・シャルルマーニュ
・そしてアラン・ロベール・キュヴェ・トラディシオン'85

石田:
コート・デ・ブランのシャンパンは今までにないミネラル、還元香があって、それもグランド・マルクのものとはまた違った感じ。口の中にスプーンを突っ込んだまでにはいかないけど、口の中でジワッと広がっていく。

オーナー柳:
みんな、どっちが好きなの。ピノ系とシャルドネ系。

石田:
ボクはもうシャルドネ。

情野:
やっぱり酸のインパクトがあるし、直線的な味わいのブラン・ド・ブランが好きかな。モカっぽいフレーバーもあって面白いし。

佐藤:
自分の好みより営業を考えちゃうからね。どうしても酸を生かしたブラン・ド・ブラン、厚みのあるピノ系、それにグランド・マルクというようにバランスをとっちゃう。

オーナー柳:
ブラン・ド・ブランだけど、アヴィーズ、クラマン、メニルとあって、村ごとの違いって出てる?

石田:
うーん、やっぱり造りの違いのほうが大きいんじゃないですか? セロスの場合は口の中で樽の感じが出てくるし、ラルマンディエはピュアだし。

オーナー柳:
ギィ・ラルマンディエはクリーミーだね。

佐藤:
酸が来る。ロワイエは日本酒みたいで面白い。

石田:
クラマンの2つは繊細なタイプですね、比較的。

ボトルイメージオーナー柳:
グラン・ド・マルクのブラン・ド・ブランと比較していかが?

石田:
ギィ・ラルマンディエは良い意味正統派で、グランド・マルクの中に入れても違和感がないと思うけど、他のブラン・ド・ブランはもうキルシュみたいな香りがして独特。

情野:
グランド・マルクのブラン・ド・ブランの中には酸味を「酸っぱい」と感じさせるものもあるけど、今日のドメーヌ・シャンパンはどれも酸はあるのに、その感じさせ方が巧みだと思う。酸のキレ味もよく、口当たりもよい。よくブラン・ド・ブランは酸のせいでアペリティフに向かないとされるけど、これらはみんな大丈夫そう。

佐藤:
そうね。グランド・マルクものより柔らかさ、優しさを感じる。温度が上がっても飲めるし、また別のおいしさがあるんだけど、実際のサービスでは冷やさなければならないわけで。冷やしたときのおいしさをどう表現するかが課題かな。

石田:
うん、うん。今、ここで語ってるほど、レストランではシャンパンを高い温度でサービスできない。結局、冷えた状態から出さないと……。

佐藤:
でも、4人で1本なんてあっという間だし。これからおいしくなるという時には空っぽだったりして。

オーナー柳:
ところで、このアラン・ロベールは……す、すごい。さすが2万5000円。

佐藤:
これ、トゥール・ダルジャンで出されたら死にますわな。ダルジャンの雰囲気と料理と、情野さんの笑顔と(笑)。うーん、ブール・ノワゼット、ミエル(ハチミツ)……いいなあ。

オーナー柳:
ここまで来るとドメーヌ・シャンパンの真髄という感じがするね。まさにオートクチュール。

石田:
合わない人には全く合わない。オートクチュールなだけに。これをストックするにはお店としても体力がいる。

オーナー柳:
サロンやクロ・デュ・メニルと比較してどう?

情野:
クロ・デュ・メニルもそうなんだけど、熟成したブラン・ド・ブランにしかないモカ・フレーバーがあるでしょ。ボクはこれにお金を払う価値があると思う。2万5000円のうちの2万円分はモカ・フレーバー。

佐藤:
サロンのほうが広くて、アラン・ロベールのほうが内側に向かってるかなあ。サロンのほうが骨格が大きめだし。アラン・ロベールは粘性があってゆっくりでしょ。

石田:
そうそう。アラン・ロベールは粘性があるからブレーキがかかる感じ。口の中に残りますね。

佐藤:
うん、ゆっくりだから、クリームとかノワゼット、魚ならヒラメ、鶏でも包み焼き、蒸し焼きにしたものを、ねっとりと止めながら食べていく。シャンパンで流す感じじゃないよね。サロンはもう少しサラリと。

でも、一旦落ち着いてから熟成感が出てくるんだよね。構成の違いかな。だから、サロンは冷やしてもいいけど、アラン・ロベールは温度上げ気味。氷にちゃっぽんちゃっぽんされたら、何のために2万5000円払ってるのかわからない。

石田:
「ここぞ」というときのシャンパン。

佐藤:
食後にトゥール・ダルジャンのサロンでアラン・ロベールって最高にかっこいいよね。体力を残しておくのが大変だけど。


【最後に】 各ソムリエたちにおすすめドメーヌ・シャンパンをあげてもらいました
(アラン・ロベール・キュヴェ・トラディション'85を除く)

石田:
ルネ・ジョフロワ
ポール・バラ
エグリ・ウーリエ
ギィ・シャルルマーニュ

情野:
フランソワ・スコンデ
ギィ・シャルルマーニュ

佐藤:
ガティノワ
アンリ・ビヨ
ギィ・シャルルマーニュ


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