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■彗星のごとく現れたブルゴーニュ白ワインの造り手
メゾン・ヴェルジェの創立は1990年。ベルギー出身のジャン・マリー・ギュファンスは、わずか10年の間にブルゴーニュの白ワイン造りで名声と富みを築き上げてしまった。
彼とその妻メーヌがマコネに現れたのは1976年で、ジャン・マリーが22歳の時だった。プイィに所有したわずか3ヘクタールの畑から、わずかばかりのワインを造った。過熟ともいえるぶどうを収穫し、ゆっくりと低温で発酵させたマコンやプイィ・フュイッセは、今ではピュリニーもかくやという価格で売られている。
わずかな面積の畑から造られたワインでは、(いくら高価に売れようとも)収入には限りがある。脅威のマコンの造り手として名の知れたギュファンスが、近隣の栽培農家から買い付けたぶどうを用い、ワインを造るのはいとも容易いことだった。メゾン・ヴェルジェの誕生は、今日、コート・ドールでも見られる著名ドメーヌのネゴシアン化の走りと言えるだろう。
■ヴェルジェのポリシー
ギュファンスが選ぶぶどうは樹齢が古いことが第一条件である。加えて、契約を結んだ栽培家とはコミュニケーションを緊密にとり、時には栽培法をも指導する。買い取り金額は量ではなく品質。すなわち酸と糖のバランス、ぶどうの健全さが鍵となる。マコネあたりでは機械収穫が一般に行われるようになってきたが、彼は手摘みにこだわり、小さな収穫箱でソロニーの醸造所まで運ばれたぶどう以外受け付けることはない。
彼が買うのはぶどうのみで、果汁や若いワインを買うこともしない。結局、ぶどう栽培に直接携わらないだけで、収穫から瓶詰めまで一貫して彼の指揮のもと、ヴェルジェのワインは完成する。こうしてヴェルジェではシャブリからマコネまで、30余りのアペラシオンを手がけている。
■ギュファンスのさらなる挑戦
さらに余勢を駆ったジャン・マリー・ギュファンスが1997年に買ったのは、プロヴァンス地方のリュベロンにあるシャトー・デ・トゥーレットだった。購入当時、荒れ放題の畑を改善するため、多くのぶどうの樹が引き抜かれた。樹齢の古い樹の上に、優良なクローンを接ぎ足した区画もある。カベルネ・ソーヴィニョンはトレヴァロンから、シャルドネはギュファンス・エナンから、ルーサンヌはシャトー・ボーカステルから株分けされたものだと言う。
また、シャブリのAOCを名乗るワインは、シャブリの地域内で醸造されることが法令化されたため、かねてよりピュリニーを本拠とするオリヴィエ・ルフレーヴと共同で建造が進められていた醸造所が完成。2001年ヴィンテージの仕込みが行われた。ソロニーまで大急ぎでぶどうを運ぶというリスクから開放され、新しい醸造所で造られたシャブリの品質がどのように向上しているか、リリースが待ち遠しい。
■テイスティング・ワインのデータ
1)シャブリ2000
樹齢15〜30年のシャルドネをステンレスタンクで発酵。マロラクティック発酵も行なう。8カ月の間、軽くバトナージュ。
2)シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴァイヨン2000
古い樹は1946年に植えたもの。若い樹でも30年の樹齢。ヴァイヨンの2つの区画で収穫されたぶどうをブレンドしており、その一方はヴァイヨンでも最も高い位置にある畑。発酵は100%、オークの樽を用い、そのうち5%が新樽である。定期的にバトナージュを行い、熟成はシュール・リーの状態で10カ月。
3)マコン・ヴィラージュ2000
マコン・ロシェ、マコン・ピエールクロ、それにマコン・ビュシエール・ル・クロの若い樹からぶどうを収穫。100%ステンレスタンクで主発酵とマロラクティック発酵を行なう。8カ月後、瓶詰め。
4)マコン・ビュシエール・ル・クロ2000
粘土質土壌の成熟の早い畑。樹齢は50〜70年を数える。主発酵およびマロラクティック発酵は80%をフードル(大樽)で、20%を小樽で行い、小樽の8%が新樽である。
5)マコン・ビュルジー・アン・シャトレーヌ2000
マコネ北部の典型的な粘土質土壌で、ぶどうの樹齢は65〜80年と古い。この2000年のワインは、10月の初め、少し貴腐のついた状態で収穫した。主発酵およびマロラクティック発酵は100%小樽で行い、そのうち30%が新樽である。樽熟成期間は12カ月。定期的にバトナージュを行なう。
6)バタール・モンラッシェ2000
新樽100%で発酵。バトナージュを頻繁に行い、シュール・リー状態での樽熟成は16カ月。
7)シャトー・デ・トゥーレット(ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴォークリューズ・ブラン)1999
ヴィオニエ50%とマルサンヌ50%をブレンド。空気圧搾機で搾汁の後、ブルゴーニュと同様、天然酵母で発酵させた。熟成には大樽と小樽を併用している。
8)シャトー・デ・トゥーレット(コート・デュ・リュベロン・ルージュ)1998
グルナッシュ75%とシラー25%をブレンド。ぶどうは部分的に除梗し、低温で25日間のマセラシオン。その間、ピジャージュとデレスタージュを行なった。
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【ナビゲーター 柳忠之(やなぎただゆき)】
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