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ロワール カベルネ・フラン

 

■春をはこぶ大河

ロワールは張るの訪れをパリに知らせてくれるという。

「王家の野菜」と賞賛されるホワイトアスパラガスは始め、川魚、イチゴなどの赤いフルーツ、そしてシェーブルチーズ……。ロワールから届くすべての作物は春そのものなのである。

ジェルマン氏*1は「これだけは知っておいて欲しい」とロワールについて話してくれた。

「ロワールのすべてのものはDouxである。春は早くにやってくるし、夏も猛暑にはならない。並木道は町並みも心地よく、ただ歩いていても気持ちがよい。ワインもやわらかい味わいが特徴で、値段も高くない。そして素晴らしい甘口ワインができる。あと、そう、女性も優しい」

最後のところは隣の奥さんを見ながらだったので、本当かどうかはわからないが……。

Doux。ロワールを表すもっとも適切な言葉だとそれからは信じている。貴族や王様が多くの城を建物も頷ける。ボルドーにもシャトーをもつジェルマン氏ももちろん、ロワールに住んでいる。そんな人を惹きつける土地がロワールなのである。

それだけではない。ロワールはフランス史においても深い歴史をもっている。

オルレアンの戦い、ジャンヌ・ダルク、ダヴィンチ、そしてラヴレー、バルザック……。ロワールが自然に恵まれていただけではなく、歴史、文化においてもとても重要な土地であることを示している。

訪れた人は必ず、何であれその魅力にとりつかれてしまう、そんな素晴らしい土地がロワールである。

 

■白はハーブ、赤はピーマン?

ロワールの赤ワインのエリアはアンジュ地区とトゥーレーヌ地区の境に集中している。

アンジュ・ヴィラージュ、ソーミュール・シャンピニー、シノン、ブルグイユ。いずれもそれにあてはまる。

このあたりは大西洋からの影響がうすれるので湿度は低く、雨も少ない。またにあり区からの影響もそれほど強くうけないので気温はより高くなっている。

「ロワールは冷涼なので赤ワインはカベルネ・フランからくるピーマンの香りが特徴です」

この定説ともいえる話を生産者に問うと、

「確かにフランはヴェジェタルな香りがでやすいがサンテミリオンとロワールのどちらでフランがより熟すかといえばロワールである。ピーマンの香りは未熟香に過ぎない」

とジェルマン氏は力説し、僕のドメーヌではありえないといった語りっぷりであった。

大手メーカーとともに中小規模のドメーヌも確実に頭角を現してきているアンジュ・トゥーレーヌの赤ワインゾーン。フランス最大の大河が生み出す流れの勢いは果たして……。

*1ジェルマン氏Bernard Germain―ボンヌゾー筆頭のドメーヌ、シャトー・ドゥ・フェール、サンテミリオンのヨン・フィジャックをはじめ18のシャトーを所有する。アンジュのリーダー的存在。

 

First Flight - アンジュ、ソーミュール・シャンピニー

second Flight−シノン、ブルグイユ、サンニコラ・ドゥ・ブルグイユ

 

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